ブラベルス属
2014 .3.4
ブラベルス属の脱保育嚢
Prolapse of brood sac of Blaberus sp.
久しぶりに目撃.
発症直後のような状態.
内蔵も透けて見える.
卵胎生のゴキブリの利点としては,卵鞘を孵化まで保護できることが考えられるが,卵鞘を産み落とす種に比べると,このようなリスクを伴ない,どちらが産卵形態として有利なのだろう.
進化の方向としては,此方の方が進んでいる筈なのだが.
2012 .9.11
Blaberus craniifer „ Black Wing“ Ⅱ
Blaberus craniifer „ Black Wing“ Ⅱ
最近話題にも上らなくなった感のある本種.
国内デビューした時は,結構人気を博していたと思ったが.
ブラベルス属全般に言えることだが,非常に丈夫で増えやすいため,皆飽きてきたのだろう.
やはり珍しい物に目が行くのは仕方ないかもしれない.
裏面.
現在は,飼育している人も少なくなっているかもしれない.
きれいなゴキブリです.
2010 .10.19
Blaberus craniifer „ Black Wing“
デスヘッド.
前胸背の模様は個体により様々.
デスヘッドの最大の特徴は何と言っても前胸背に出現する顔のような模様.
そして,黒く染まる翅.
2008 .6.24
ブラベルス属の害虫化
これはBlaberus fusca の飼育ケース.
個体数が少ないうちは,増えてくるとうれしいが,知らぬ間にこのような状態となる.
シェルター内にひしめく幼虫.
クロゴキブリやヤマトゴキブリのような日本の屋外に生息している種は,
1年中温暖な環境化においても,その成長スピードは,
屋外の四季にあわせ遅くなる傾向にある.
しかし,チャバネゴキブリを筆頭に熱帯が故郷のゴキブリたちは,
温度と餌を与えておけば,成長は止まることなく,
増えだすとチャバネのごとくあっという間にケースが狭くなる.
それゆえ,他の生き物の餌としての価値があるのだと思うが,
これが屋外(建築物内)に逃げでもしたら,
死ぬことなく繁殖する可能性はかなり高いと思う.
現に,過去に北海道の建築物内で発見された記録が有り,
こんな巨大なゴキブリが室内にわんさかいたら,
ゴキブリ嫌いの人にしてみれば,冗談では済まされないであろう.
ゴキブリを愛玩用として飼育している人はそんな事はないと思うが,
くれぐれも,逃走には気をつけて飼育していただきたい.
2008 .6.23
ブラベルス属の飼育
今回紹介できなかった,もしくは,はっきりしなかった種,
Blaberus atropos
Blaberus craniifer
Blaberus giganteus
Blaberus parabolicus
Blaberus boliviensis
は,また判り次第ご紹介するとして,
本属の飼育に関しては,特に問題なくどんな環境でも,良く繁殖する.
中プラケを使用したBlaberus discoidalis の飼育ケース.
マットなど必要ないようで,初齢幼虫も沢山生まれてくる.
シェルターの中の様子.
この調子で過密な環境をそのままにしておくと,小型の個体が多くなるようである.
2008 .6.20
ブラベルス属幼虫比較 その2
初齢に近い幼虫.
このサイズの比較はまた後日としたい.
こうして見てみると,一応4種全て違う種のようであるが,
フスカ・クラニファーはかなり近いように感じる.
マダゴキ類にも言われているが,ハイブリッドも多いような気がする.
一つ確かな事は,ここで紹介したクラニファーは「デスヘッド」ではないことであろう.
2008 .6.19
ブラベルス属幼虫比較 その1
終齢に近い幼虫の前胸背.
写真上2種は良く似ている.
こちらクラニファー.
翅芽の色が明るい茶色をしている.
これは全ての個体に共通している.
フスカ.
全体的に濃い茶になる.
2008 .6.18
ブラベルス属成虫比較 その2
左よりfusca ,craniifer ,colloseus ,discoidalis である.
フスカと比較して上翅の黒化の度合いが,クラニファーの方が強い傾向にある.
そして,小型である.
コロセウスとディスコイダリスはコロセウスの方が前胸背黒紋が大きい傾向にある.
しかし,比較すると判ることであり,
1種しかいない場合は,幼虫で判断する方がやりやすいと思う.
2008 .6.17
ブラベルス属成虫比較 その1
♂前胸背板の比較.
こちらが♀.
♂ではあまり違いの出ない種も,♀は大きな違いが出る種もある.
2008 .6.16
ブラベルスクラニファー?幼虫
終齢と思われる幼虫たちである.
特に個体間の違いは見られない.
前胸背はクワガタ♀成虫の頭胸部シルエットのような,暗褐色斑が入る.
フスカによく似ているが,翅芽に色がこちらの方が赤色が強い.
そしてこちらが初齢に近い幼虫.2から3齢と思われる.
2008 .6.13
ブラベルスクラニファー?成虫
Blaberus craniifer 40-55㎜ (Allpet Roaches引用)
分布:メキシコ・中央アメリカ・キーウエスト島・アメリカ全土
別名デスヘッド.
ブラベルス属の中でも最も人気が高い種ではないだろうか.
特徴は成虫の前胸背板にはっきり浮き出るドクロのような人面模様.
そして成虫の翅は黒色部が広いなど他のブラベルスと比較して,突出した特徴がある.
本種に関する情報は海外のサイトに詳しく出ているらしく,
(この辺の情報は語学堪能な我が社のS部員が調べてくれている)
それによると,
本種は他の種に比べ採集は困難である事.
ペットルートにはかなりの偽者が出回っている事.
と言うわけで,この個体たちは日本国内で“craniifer”として入手したが,
やはり違うようである.
しかし,同定できていないのでとりあえずBlaberus craniifer として紹介したいと思う.
右が♀.左が♂.
上翅の黒化が他種に比べ強いように見える.
雄の5匹平均体長は55.7㎜.最小52㎜.最大60㎜.
フスカを抜き最大の個体がでた.
本種も前胸背板の黒紋の様子を雌雄並べてみた.
上2匹が♂.
下2匹が♀.
雌の黒紋には黄褐色の小斑が入り,デスヘッドほどではないが,
人の顔状に見える模様が浮き上がる.
♂はその限りでない.
2008 .6.4
ブラベルス属について
ゴキブリの中で,日本国内において餌やペットとして多く流通している種に,
ブラベルス属Genus Blaberusが上げられる.
その他にペットローチとしては,通称「フルーツゴキブリ」「マダゴキ」と言われる,
成虫になっても無翅の大型ゴキブリGenus Gromphadorhina.がある.
こちらはまた次の機会に紹介するとして,
ブラベルス属の違いについて少し比較してみた.
Allpet Roaches にはブラベルス属が7種類紹介されている.
海外のゴキサイトは大体どこもこのぐらいの種が書いてある.
アトロポス :Blaberus atropos
コロセウス :Blaberus colloseus
クラニファー :Blaberus craniifer
ディスコイダリス :Blaberus discoidalis
フスカ :Blaberus fusca
ギガンテウス :Blaberus giganteus
パラボリクス :Blaberus parabolicus これはペルーコレクションのdiscoidalisによく似た腹部の大部分が黒いタイプとの事で,ちょっとよく判らないのでパスします.
そうすると,大きく分けると6種程になるようである.
現在飼育しているのはこの内4種であるが,種名は入手した時に付いていたものをそのままとりあえず記す事とする.