チャバネゴキブリ
2024 .4.9
チャバネゴキブリとチャオビゴキブリ
Blattella germanica and Supella longipalpa
どちらがチャバネかわかりますか?
ここを見ている人は聞くまでもないかもしれませんね.
左がチャオビゴキブリ,右がチャバネゴキブリ.
両方♂.
これは♀.
幼虫です.
生息場所は極端に言うと,チャオビは寝室,チャバネは台所.
似た外見ですが,同定がいかに重要かという事ですね.
2022 .12.26
最強チャバネゴキブリ?
The Strongest German Cockroach?
様々な薬剤を使っても防除が上手くいかない系統が営業所から送られてきました.
見た目は普通のチャバネゴキブリですが,前胸背板の黒状紋が太く強そうにも見えます.
増やしてから殺虫剤の感受性試験を行います.
果たしてどこまで強いのか?
楽しみだ.
2022 .6.2
死亡した親の卵鞘から産まれたチャバネゴキブリ
Hatching of dead Blattella germanica‘s ootheca
チャバネゴキブリ1齢幼虫.
上方に親がいます.
2,3日前に死亡した卵鞘持ち成虫を入れっぱなしにしておいたのですが孵化しました.
親が死亡しても孵化することは昔から知られており,生命力の強さがうかがえます.
先端の卵は孵化出してません.
死亡して10日以上経過した卵鞘は孵化しないそうなので,乾燥は孵化の障害になるのでしょう.
2022 .4.27
チャバネゴキブリ孵化幼虫
Blattella germanica hatchling nymphs
チャバネゴキブリ孵化直後.
私も,直後の状態は初めて見た気がする.
腹部後方が緑色しています.
何がある場所でしょうか.
孵化後落下した卵鞘.
数時間すると見慣れた体色になります.
2021 .12.24
チャバネゴキブリの産卵と保持
Egg laying and retention of the German cockroach
見慣れたチャバネですが一瞬?,と手が止まった.
卵鞘が縦に立っているのはゴキブリ属なら普通の光景だが,やはりチャバネは変に見える.
上方から.
これが見慣れた状態.
卵胎生のゴキブリは,この状態から体内の保育嚢に収納され見えなくなる.
2021 .11.30
チャバネゴキブリ床替え
Cleaning of the breeding container of Blattella germanica
チャバネゴキブリは,普段から触っているゴキブリですが,珍しいネタがあまりないのでクロゴキブリより登場頻度が少ない種ですね.
床替えも月に何度も行っているのですが,このケースは成虫を実験で使ったため,齢数が偏った状態になったようです.
全部脱皮殻です.
普通は炭カルが薄くなって逃げだしそうなので行うのですが,今回はケース下に脱皮殻がたまりすぎて,歩くのも支障が出ているようなので実施しました.
この状態の上にいる虫体は素早く走れないので,ピンセットで容易に捕まえることができます.
移し終えたケースの殻.
あっ,綺麗になったケースを撮り忘れました.
ごめんなさい.
2020 .9.9
チャバネゴキブリ
Blattella germanica
トイレにて.
トイレではあまり見ないので少し驚き.
トイレに入った目的は当然用を足すためだが,そちらは後回しにして逃げないうちに証拠固め.
♀成虫で,触角も異常がみられない元気な状態.
卵鞘も凹みがなく元気に育っている感じ.
思えば,チャバネゴキブリは当ブログの出場回数が意外と少ない.
クロゴキブリが120回に対してチャバネは30回.
1/4しかない.
そう考えると,一般的なゴキブリはやはりクロゴキブリだなと思う.
2020 .4.27
親死亡のチャバネゴキブリ卵鞘孵化
Hatching of German cockroach ootheca sheath in parental death
親が卵鞘を付けたまま死亡たので,万が一の孵化しやすさを考え卵鞘を外して放置すること約1週間.
一般的に,5日を過ぎると孵化率が急激に落ちるとされている.
これはダメだろうと思っていたら孵化しました.
この親は,無紋の親なので子供がどうなるか楽しみ.
増えたら薬剤の抵抗性も調べる予定.
2020 .2.17
ゴキブリ三昧
Give all one’s time to cockroaches
週末に逗子方面までゴキブリ採集に出かけた.
採集場所は知人のM井邸.
天気が不安でしたが当日は曇っていたものの上々の天気.
話の発端は以前,庭の収納ボックス内で越冬しているウスヒラタゴキブリを送ってもらったのがきっかけ.
ウスヒラタゴキブリが,どのような人工的な場所で越冬するのか確認したかった.
早速ウスヒラタゴキブリが見つかった収納ケースを見せてもらうといるいる.
死骸も複数あり,中で越冬中に死亡した個体だろうか?
さらには,地表の落ち葉にもモリチャバネゴキブリに混ざり普通に見つかる.
探し始めて数分.
住宅基礎の落ち葉をどけると今度はキチャバネゴキブリ!
なんと♀成虫.
成虫越冬することは報告されているが,自分で確認出来て感激である.
その後,近くの遊歩道沿いを散策.
ウスヒラタ大量発見.
本種の越冬場所は樹上の枯葉や樹皮下だと思っていたので驚きの連続.
タマヤスデも大量に発見.
一握りの土に数匹見つかる.
最終的に,キチャバネゴキブリはあの1匹のみ.
たまたま潜んでいたのであって,常時あのような場所で越冬しているのではなさそうだ.
事務所に帰ると,チャバネゴキブリが届いていたのでそれの仕分け.
久しぶりに充実した1日であった.
M井さんありがとうございました.
2020 .1.15
ゴキブリの餌について 最後
About cockroach bait, last
最後に害虫種が食べるか確認.
チャバネゴキブリ
翌日
見た目食べていないようだが,内臓を食べる.
クロゴキブリ
翌日
ワモンゴキブリ
翌日
さすが世界のワモンゴキブリ.
骨をわずかに残して完食.
結論から言えば,当たり前ですが動物死体は雑食性の動物にとって食べることができる餌であるということですね.
2019 .12.18
ついに出たチャバネゴキブリ
The German cockroach has finally come out
夜半,仕事中水を飲もうとコップを見ると.
この手の組み合わせでチョウバエやショウジョウバエなどは経験あるが,チャバネは初めて.
改めて衛生害虫なんだと思い知らされた.
おいしそうに飲んでいるのでしばらく放っておいたが,キリがないので処分した.
それにしても,この机にはいろんな昆虫たちが現れるが,コップまで到達したのは今回初めて.
貴重な体験をした.
2017 .7.5
Blattella germanicaの産卵
Egg‐laying of a Blattella germanica
昨日に続き産卵.
これは,チャバネゴキブリ.
ご存知の方も多と思うが,チャバネゴキブリは卵鞘を腹端に付けて活動する.
卵鞘の位置は横.
このままの状態で,孵化が始まり,終わると殻になった卵鞘をはずし,次の卵鞘を産み始める.
産み出している時はこのように縦に産む.
一説では,昨日の卵胎生のゴキブリへの進化の途中といわれている.
このサイズで卵胎生のゴキブリは,日本ではオガサワラゴキブリ,国外で有名なのはPanchlora nivea などがある.
2017 .6.30
チャバネゴキブリの床換え
Cleaning of the breeding container of Blattella germanica
ワモンゴキブリに比べ,チャバネはサイクルが短い.
何とかもう少し間隔を空けれないかいろいろやったが,先日ワモンゴキブリの床換えを久しぶりに行って気が付いた.
チャバネは無理だ.
数が圧倒的に違う.
というわけで,これはこうゆうものとして,1ヶ月サイクルで実施すると決めたほうがすっきりする.
2017 .4.28
いつもの居酒屋での出来事
Events at usual Japanese Pub
前回はチョウバエでした.
取り皿に黒い物.
今回は,こちら.
チャバネ 1齢幼虫.
瀕死だが動いている.
写真撮って喜んでいる,変態グループです.
皿は端に寄せておきました.
2015 .3.31
チャバネゴキブリ前胸背板変異
Variation of the pronotum of the German cockroach.
ゴキブリの楽しみ方として,以前ワモンゴキブリの前胸背板の変化をある学会でお見せしたことがあるが,チャバネゴキブリも良く見ると様々なタイプが存在する.
これは,黒状紋が中央で切れて前方の色が薄くなったタイプ.
普通はこちらなので,ずいぶん違うことが分かる.
モリチャバネにもこうした傾向があり,前胸背板は分類上一つの目安にはなるが,目安でしかない.
2015 .3.30
チャバネゴキブリの連結した卵鞘
The Ootheca which the Blattalla germanica connected
古い卵鞘に新しい卵鞘が付着しています.
生きた状態で撮影したかったのですが,冷蔵庫に入れておいたら死んでしまいました.
接合部を見ると,普通は脱落する古い卵鞘が,何らかの原因で付着したままになり,そこに新しい卵鞘を産み始めたので付着したように見えます.
普段見慣れたチャバネゴキブリですが,よく観察すると,面白いネタが見つかりますね.
2014 .12.1
チャバネゴキブリ餌やり忘れてから20日後
It is forgotten for 20 days to put food into German cockroach
飼育ケースの掃除をするのはいいのだが,たまに餌を入れ忘れることがある.
このチャバネのコロニーも,約20日間入れ忘れに気が付かず,今日気かついた.
餌を入れたら群がる群がる.
あと,20日忘れたらまた大変な状態になっていただろう.
2014 .7.2
チャバネゴキブリ交尾2
Copulation 2 of a German cockroach.
身近な昆虫.
チャバネゴキブリ.
しかし,飲食店・食料品関係ではない人にしてみると,意外と見る機会が無いのではないかと思う.
それはそれで,全然OKという人が大多数だと思うが.
左が雌.
右が雄.
2013 .10.8
チャバネゴキブリ交尾
Copulation of a German cockroach.
今更解説するほどもない種ですが,交尾は最近見ていなかった.
右が雌.
左雄.
雄がいかに細いかわかる.
左が雄.
騒々しくケースの向きを変えたりしたが,しっかり接合し,離れることはなかった.
2013 .6.20
チャバネゴキブリの群れ
The group of a German cockroach.
餌が切れて,しばらく放置してしまった後の餌食い.
申し訳ない.
2012 .11.21
現場で捕獲された無紋血統のチャバネゴキブリ
The patternless blood German cockroach captured on the spot.
朝比奈(1991)にも書かれている無紋チャバネゴキブリ.
私のところでは,累代個体群より選別し,固定できているが,野外個体では始めてみた.
おそらく,この色の薄い個体を集めて累代すれば,1年ほどで無紋チャバネが出来上がると思われる.
幼虫も黒が薄いのが分かるだろうか.
写真上部にいるノーマル幼虫と比較してみてください.
2012 .10.12
またまた 机に招かざる客
Often He is an uninvited visitor to my desk.
カネタタキといい,不明のゴキブリ(正体判明)といい,いろんな虫が出没する.
本日は,超メジャーなチャバネゴキブリでした.
動きは比較的とろいので写真は撮りやすい.
いい気になって撮っていたら,結構あちこち歩かれた.
産卵中の♀.
捕獲しておいて良かった.
侵入経路も判明.
現場から回収してきたネズミ捕獲器の回路内に侵入していた個体であった.
ちなみに前回の謎ゴキはPhoetalia pallida でした.
なぜこんな所にいたか,これまた人には言えない心当たりがあり.
原因判明で一安心.
2012 .9.6
チャバネゴキブリの幼虫群
The larva group of a German cockroach.
床換えするため,シェルターを移動させようとしたときのこと.
このチャバネケースは,飼育放置により,前回床換えの際,壊滅寸前まで減ったケース.
従って,齢数が揃ってしまったようだ.
私もこんな状態ははじめて見た気がします.
もう一枚.
普通は成虫やサイズの違う幼虫が混ざるのですが.
床換え終わり.
2012 .8.31
チャバネゴキブリ採集
Capture of a German cockroach.
生かしたままゴキブリを採集するには,ビンを使うのが虫体にとっては好ましいのだが,設置回収が大変だったり,一度に何箇所も集める時は,現場から回収してきたローチトラップから採集することも出来る.
1ヵ月設置したトラップでも,結構な確立で雌成虫や大型の幼虫は生きている.
それをピンセットで静かに剥がしていく.
ふ節や脚が取れても,脱皮で再生するし,成虫なら卵を産むだけなので,動ける状態なら問題ない.
それを,系統ずつプリンカップに入れて繁殖させる.
簡単な実験であれば2,3ヶ月で使用可能になる.
2011 .1.7
チャバネゴキブリ孵化
PCOの業務の中で,最も多く接する昆虫がチャバネゴキブリである.
チャバネゴキブリの生態も,その実態も普通の人よりは詳しく身に着けている.
孵化する瞬間も,様々な経験から特別な物という感じはしていなかった.
がしかし,実際目撃すると,見た事が無いことに気がついた.
というか,そんな暇が無いと言うのが正解かもしれないが.
卵鞘を中に浮かせたまま幼虫があふれ出している.
まだ持ちこたえている.
開始から11分後.
皆脱出が終り,自立して行動を始めている.
がまだ親は卵鞘をつけて立っている.
と目を放した隙に,から卵鞘は外れて転がっていた.
この間約50分.
感動の出来事であった.
2010 .9.10
チャバネゴキブリ 無紋
正解はチャバネゴキブリでした.
雌雄.
チャバネゴキブリの特徴として,前胸背板に黒紋が入るのだが,この系統は消失した個体群.
2010 .2.9
チャバネゴキブリ床換え 別系統
一言でチャバネゴキブリと言っても,色々あり,この系統は短期間で炭カルを削り落としてしまう.
あと1日遅かったら天井の紙にびっしり付く状態になっただろう.
最近,実験に使ったので密度は特別多くないケージなのだが.
いつもこの様に綺麗にしたケージに入れるのだが,10日で炭カルが擦れ落ちてしまう.
作業中.
大体いつもこんな感じ.
昆虫の中で,これほど高密度で飼育できる種類はそう多くはないだろう.
終了.
ちなみに,ケージには紙を張り,いつメンテをしたか記録しておくと,後々色々役に立つ.
2009 .10.20
インドの生物 ゴキブリ
以前,当社社員がFAOPMA(アジア・オセアニア・ペストマネジメント連盟)でインドに行った際,「ワモンは沢山いた」といっていた事もあり,ゴキブリには困らないだろうと期待していた.
しかし,ハードなスケジュールの合間(連日ホテルに戻るのは11時過ぎ)と,
香辛料に当りふらふらの状態で夜間散策は出来なかった.
これはそんな中,フマーユーン廟近くでモリチャバネ?のいる葉っぱを土ごと採集し,
ホテルで分別している所.
幼虫数匹と♀成虫が入っていた.
モリチャバネよりヒメチャバネに近い感じがする.
成虫は♀なので,まだ同定はしていないが,♂成虫が出るには当分かかるであろう.
これはデリー市内で在インド企業の人と食事した後,夜道を歩いていると服に飛来したゴキブリ.
なんとラッキーな事でしょう.
前胸背の黒条が太く,モリチャバネとは明らかに違う.
住宅内にいたチャバネゴキブリ.
残念ながらインドではこの3種しか見ることが出来なかった.
その理由として,この時期デリーは乾季で地表がとても乾燥している.
観光施設内は大変綺麗に整備されており,朽木などは全くない.
施設外は人があふれ帰りとても探せる状況ではない.
やはり,仕事の合間にゴキブリ採集するのはキツイ.
2008 .12.8
チャバネゴキブリ 床換え その2
古い容器と新しい容器をぴたりと隙間無く並べます.
新しい容器には事前に餌と水を入れ準備.
これらは後から入れても良いですが,
ゴキブリがすでに入っているケージ内に底面積の多きい物を入れると,
間違いなく何匹か下敷きになり潰れます.
それが嫌なので,私は先に入れておきます.
容器をぴたりとつける訳は,お分かりと思いますが,
これより虫体を,空中を移動させる為,
隙間があると万が一落下した個体が隙間より逃走し,
困った事になってしまうからです.
シェルターの移動.
シェルターの底面には糞が詰まっています.
古くなると,糊がはがれてばらばらになりますが,今回は再利用するため,
ピンセットを差込み糞をかき出します.
糞は乾燥しており,簡単に中から出てきます.
しかし,ゴキブリも沢山出てきますので,逃がさないように注意しましょう.
すると,このようにまたゴキブリが隠れる事の出来る状態となります.
2008 .7.29
チャバネゴキブリの駆除
飼育ケージ内に管理されている個体は,駆除する必要はないだろう.
問題なのは,気が付かない間に侵入(脱走)し,人と同じ生活空間の中で,
肩を並べて生活をはじめる個体群がいると,やはり駆除対象となる.
野に放たれたチャバネはそこが温かく,潜み場所があり,
餌がそこそこ揃っていれば,繁殖を開始する.
当然ゴキブリを飼育する技があれば,駆除する技も無ければ片手落ちである.
ではどの様に駆除するか,最も効果的に行うのであれば,
当然,ゴキブリの住みにくい環境を造ることから始める.
整理,整頓,清掃.
これは餌を無くし,潜む場所を無くす最高の方法である.
そして,ローチトラップを室内均一に設置する.
2~3日後トラップを調べると,潜伏している場所近くのトラップは捕獲があるので,
その場所を詳しく調べる.
すると,クラックの中や,
見落としていたゴミなどが見つかる.
再度ゴミ等を処理し,そこに毒餌(ベイト剤)や,殺虫剤を,
用法用量に従い使用する.
ちゃんと行えば,減ると思うので,それを何度か繰り返す.
この様な処置を記録として残し,後の駆除の参考データとする.
チャバネゴキブリは,どこにでも生息しているゴキブリではあるが,
飼育していた個体が逃げた等,侵入した原因が必ずあるはずである.
「いつの間にかいた」と言う状況であれば,
知らぬうちに定期的な侵入経路を確保してしまっている可能性がある.
これを見つけないと,駆除,また侵入,駆除,またまた侵入,
と,いつまでたっても,完全駆除は難しい.
従って,逃がしてもいないのにチャバネが住み着いている場所(飲食関係)
の駆除は,非常に高いレベルの技術が必要とされる理由である.
2008 .7.25
チャバネゴキブリ科の特徴その5
11.♂♀の肛上板は三角形で完全,突出するかまたは先端に凹みを生ずる.
尾肢(cercus)はこの肛上板の側方より生じる.
チャバネゴキブリ♂肛上板.
同じく♀肛上板.
12.♀の腹端の腹板(肛下板)は大きく,Anaplectinaeのものを除き先端の割れる事はない.
腹板はうまく撮れなかったので次回.
残念ながらAnaplectinae(チビゴキブリ亜科)の標本は無い為比較なし.
2008 .7.24
チャバネゴキブリ科の特徴その4
9. の腿節の下面には棘列があり,後腿節には強棘を列生する.
下はチャバネゴキブリの後腿節.
下面に棘が確認できる.
10.跗節には棘と明瞭な褥弁を有する.
この褥弁が発達していると,垂直面も登れるようになる.
飼育するにはケージ内の登攀防止処理が必要になってくる.
壁を登れないゴキブリとはこの部分が発達していない種をさす.
2008 .7.23
チャバネゴキブリ科の特徴その3
4. 後翅の外縁の中程には,三角形の翅脈を欠く部分が生ずる.(間挿三角部,intercalated triangle)場合がある.
5. 後翅のR脈は通常前方縁に平行した分岐を出す.
6. Cu脈は通常分岐する.
チャバネゴキブリの後翅である.
同定に使える説と,使えないとする説があるようである.
同一種で複数の個体を比較しないと何とも言えない.
2008 .7.22
チャバネゴキブリ科の特徴その2
4. 日本に分布する種はすべて♂♀有翅.
フタテンコバネゴキブリは一見すると無翅のようであるが,
ちゃんと短翅として存在する.
薄いひらひらとした翅ではなく,硬い皮状の翅である.
5. 翅は平滑,Sc脈は通常分岐しない.
写真はチャバネゴキブリの前翅.
矢印がSc脈.分岐していないのがわかる.
ゴキブリ類の翅は,進化の方向から考えると,退化に向かっているといわれる.
実際にチャバネゴキブリはこんな立派な翅があっても飛ぶ事は出来ない.
2008 .7.18
チャバネゴキブリ科の特徴その1
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae は,日本に生息するゴキブリの中で最大のFamilyである.
その数は2亜科10属30種に及び日本産ゴキブリ類全52種7亜種の約半数を占める.
チャバネゴキブリ科の特徴として以下のことが挙げられる.
(日本産ゴキブリ類 朝比奈正二郎 著 中山書店 1991年)参照
1.小型の淡褐色のゴキブリである.
日本産チャバネゴキブリ科の中で最も小型の種は,
クロモンチビゴキブリ Anaplecta japonica Asahina ♂体長6~7㎜
最大種はオオモリゴキブリ Symploce gigas gigas Asahina ♂20~21㎜
体色に関して,ほとんどの種は,ベースとなっている体色は淡褐色である.
しかし,キョウトゴキブリやフタテンコバネゴキブリなどは黒色が強い.
2.頭部はよく動き,上から見て前胸背板によって全く隠されることは無い.
3. 胸背は平滑,褐色紋を有する種もある.
褐色紋を有する種として代表的なのは,チャバネゴキブリであるが,
リュウキュウモリゴキブリのように紋とも斑ともとれるものも有る.
表面が平滑でない種といえば,オオゴキブリや,マダゴキなどが思いあたる.
左 リュウキュウモリゴキブリ 右 チャバネゴキブリ.
2008 .7.17
チャバネゴキブリ
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae
チャバネゴキブリ亜科 Subfamily Blattellinae
チャバネゴキブリ属 Genus Blattella Caudell
チャバネゴキブリ Blattella germanica(Linne)
ご存じの通り,チャバネゴキブリは世界的な害虫種である.
コンクリート建築物内に生息している昆虫の中で最も個体数が多い?
これに関してはまだ可能性のある種がいくつか存在する.
チカイエカ Culex pipiens pallens COQUILLETT
チョウバエ類.
しかし,いずれにせよ多いことには違いない.
2007 .8.14
チャバネゴキブリ脱皮
Periplaneta属は大型の由縁か脱皮に結構な時間が要していたが,一番身近なチャバネゴキブリはどうであろうか?小型ゆえに結構早いと思われる.
そこで,脱皮直前の終齢幼虫を別様器にとりわけ,観察した.
完全に脱ぎ捨てるまでに要した時間は約18分.(写真左上から左下まで)
次に向きを変え翅が完全に伸びきるまで約13分(写真下左から2番目まで)
右下の様に翅がきれいにたたまれ,色づくまで約2時間(右下写真まで)
全てに要した時間は約3時間,コワモンゴキブリの半分以下となった.
小型の為予想していた通り早い脱皮となった.
脱皮が始まり完全に古い骨格を脱ぎ捨てるまでの間がやはり無防備であろう.
この時間だけ比較すると,
コワモン30分.
チャバネ18分.
トータルの時間から比較すると,コワモンもかなり頑張っているようである.