ゴキブリの病気
2021 .12.9
トビイロゴキブリの治療
Treatment of the Periplaneta brunnea
幼虫死亡が収まらない.
本種はそれでも維持できているが,クロゴキブリは全滅した系統も出ている.
どうにかしなければと考えているのだが.
化学的に菌類やウイルスを分離して行えば格好いいが,ゴキブリを治療しても喜ぶ人はほんの一握りいるかどうか.大半は真逆の反応だろう.
だから価値があると思うが今の環境では不可能なので手持ちの物を試すことから始めている.
その一つ.
期限の切れた某抗生物質製剤.
約一か月後.
左が薬あり,右無し.
通常飼育では,右水ガーゼが青くなるのだが左はならなかった.
何かしらの変化は起きているのだろう.
左の薬あり.
右:なし.
死亡数が減るということはなく,逆に増えてしまった.
これは,誤差の範囲だと思うが,この方法はボツ.
次考えます.
2021 .11.2
Periplaneta banksi感染?
殺Gウイルスに感染?
なんか広がっています.
気を付けていたのですが・・・.
前に様子を見たときに,なんかヤバそうと思い自然物を入れたのですが何の効果もなく激減していました.
おまじないだけではダメでした.
これは明らかに例のやつでしょう.
残った幼虫たち.
大プラケから中プラケに縮小.
さあ,立ち直るか!
がんばるぞ!
2021 .9.1
クロゴキブリの感染症
Infections that kill cockroaches
想像ですが,トビイロゴキブリのケージから移ったようですね.
白眼のクロゴキも現在2匹しか残っていない状態.
このコロニーも,飼育はじめてまだ2年と経過していない新しいコロニー.
同じ親から生まれた別のケースは,普通に増えています.
死骸の山です.
生存虫なんと5匹.
それと,生きていそうな卵鞘9個.
卵鞘は,殺菌剤で表面をサッっと殺菌して保管.
飼育資材はすべて新しいものと交換.
その為,現在はPeriplaneta属の虫体はもとよりケースを触った場合もその都度1回1回手洗いと殺菌をしています.
本来は,このようになったケージはすべて殺処分,殺菌を徹底的にするのですが,入手困難な系統もあり難しいです.
どうすればよいかはいくつか考えているのですが,なかなか着手できないです.
これから冬に向け,手荒れがひどくなるので憂鬱ですね.
2020 .6.26
Elliptorhina davidiの病気
Disease of a Elliptorhina davidi
Elliptorhina davidiの♀成虫.
膨れ上がっている.
死亡して腐敗していると思い,出したがまだ動くので生きてはいるようだ.
もしかして,幼虫が中に入っている可能性もあるので,腹部をしごいたら体液が少し出てしぼんでしまった.
中には卵鞘も無し.
ガスがたまっていたようだ.
一つの症例でした.
2012 .7.9
トビイロゴキブリ感染実験
The infection experiment of Periplaneta brunnea.
例の全滅トビイロゴキブリ生き残り,最後の1匹が死亡した.
体色が見るからにおかしい.
それを,トビイロゴキブリ淘汰集団に入れ,様子を観察.
果たして,このグループも全滅するのか?
2012 .6.5
トビイロゴキブリ危機
The crisis of Periplaneta brunnea.
今度は逆に壊滅の危機.
数週間前は普通に数百匹群れていたのだが.
悪臭と共に死亡して黒化した死骸の山.
幼虫から成虫まで殆んど死亡している.
ゴキブリ属がこんなに短期間で死滅に瀕したのは今回初めてである.
ウイルスのような物だと思うが,他に感染しては大事となる.
まだ息のある個体も若干いるがこうなった物はダメであろう.
結局この時点で元気な個体はこれだけ.
何と13匹.
復活なるか?
2012 .3.7
卵胎生の残念な奇跡
The regrettable miracle of egg development in the womb.
卵胎生ゴキブリによく見られる脱保育嚢だと思った.
すでに♀親は死亡していた事から,標本にする為一時的にエタノールに入れて置いたのだが.
数週間後に見て絶句した.
卵鞘は体内に保持していたようだ.
しかも生きていたらしく,幼虫がエタノールの中で9匹,死亡していた.
ショックです.
ケージ内をあさってみると.
成虫はこの3匹のみであった.
またショック.
2009 .5.1
ドミニカローチ
Hemiblabera sp. ♀成虫.
脱腸個体発見.
拡大.
サツマゴキブリの時と同じ症状.
卵胎生種の宿命であろうか.
過去に以下の種で確認しており本種で5種目
ヤエヤママダラゴキブリ Opisthoplatia orientalis (Burmeister)
サツマゴキブリ Rhabdoblatta yayeyamana Asahina
ジャイアントウッドローチ Archimandrita tesselata
ブラベルス属
これからも分かるように大型種ばかりである.
はたして小型種でも発生しているのであろうか?
発生しても小さいので分かり難いと思う.
この個体1週間後も普通に生きており,即致命的な症状ではないと思われる.
しかし,こうなると交尾はもとより産卵は不可能であろう.
ヨロイモグラなどで発生したら目も当てられない.
2009 .2.26
エジプト砂漠ローチ壊滅 その2
その原因は外部に寄生するダニと思われる.
この後出てくる2枚目の写真は,
あまり気持ちのいい写真ではないので,
興味のある方だけ下へ進んで,
他の人は飛ばしてください.
まだ生きている個体の頭部が白っぽくなっている.
触角や前脚腿節に白く写っているのは全てダニである.
アップの写真.
複眼,口器の周りから,全てを覆いつくさんとばかりに付着している.
どこが何なのか判らない.
白い粒粒が全部ダニ.
全ての個体に同様に付着している.
気門回りにはあまりいない.
しかし,これだけ口器に付くと,餌も取りにくいはずである.
死亡する原因はそこにあるのか.
通常,顔回りに寄生する生き物は,宿主の食べる餌のおこぼれを頂戴し,
共生すると思っていたが,このダニは違うのだろうか.
2009 .2.25
エジプト砂漠ローチ壊滅 その1
エジプト砂漠ローチ Polyphaga aegypticaが壊滅的な状況になった.
これは去年の2月の状況.
西のカエルさんから危機的状況を助けてもらい,順調に増えていたのだが・・.
少し目を放した隙に,気づいたときには20匹ほどしか生き残っていなかった.
♂成虫は全滅.
♀成虫がいくらか生き残っている.
♀の方が丈夫なのようだ.
幼虫が死亡し,ケナガコナダニらしきダニが集っている.
何の飼育でもそうであるが,幼虫が死亡するのは異常事態の現れである.
2008 .10.23
モリチャバネゴキブリ全滅
屋外性のゴキブリを飼育していると,たまに原因不明の全滅を経験する.
今まで経験したのは,
① モリチャバネゴキブリ
② ヒメチャバネゴキブリ
③ サツマツチゴキブリ
④ チャバネゴキブリ
の4種.
今回は茨城県産のモリチャバネゴキブリが死滅に瀕していた.
この死滅の特徴として,成虫の死骸が黒変する.
全ての齢期の幼虫が死ぬ.
このような無残な状態になる.
拡大.
♀成虫が卵鞘を付けたまま死亡している.
2008 .10.1
卵胎生の大型ゴキブリが罹る病気
サツマゴキブリ♀成虫の腹端部から,内臓のようなものが出ている個体がいた.
この症状,過去にヤエヤママダラゴキブリRhabdoblatta yayeyamana Asahina,
ジャイアントウッドローチArchimandrita tesselata (Rehn)でも見た事があり,
これはどうも卵胎生のゴキブリ(特に♀成虫に限って)に発生する症状だろう.
という事で紹介したい.
腹面より拡大.
ゴキブリが病気になっても誰も心配したり,残念と思う人はいないと思う.
まして,治療しようなんて考える人は「大ばか者」・「変人」と思われるだけだろう.
治療としては,症状が出た直後であれば,滅菌したガラス棒の様な物で押し込む事により,収納できると思うが,出てから時間が経って乾燥が進んでしまうと,元には戻らないであろう.
この出ているのは,保育嚢が脱腸のように出てきている感じがする.
よく見ると,袋の内部に白い内蔵のようなものが確認でき,
形から卵巣と思われる事から,生殖に関係する器官と推察するのが良いと思う.