ゴキブログ一覧
2012 .10.16
ネバダオオシロアリの巣作り
Making the nest of a Zootermopsis nevadensis.
イエシロアリ3年物の壊滅がショックで,それ以来,こまめにシロアリも床換えを実施することにした.
本種も,調子良さそうであったが,キノコが生えたりと腐朽が進みそうなので前回垂木などを餌として与えたが,結構シロアリには好評で,盛んに摂食,巣を構築しだした.
クヌギの産卵木も入れてあるが,垂木も同じ様に食べている.
やはり家の方が好みでしょうか.
女王が何所に居るか分からないが,動きが外から観察できるのは楽しい.
そのうち出てくるかもしれない.
2012 .10.15
龍ヶ崎 秋の昆虫
Insecta found in Ryugasaki during autumn.
階段を登れずうろついていたカメムシ幼虫.
体色が濃紫のメタリックに発色して綺麗だ.
シロヘリクチブトカメムシの幼虫ではないかと思うが.
研修所の入口脇にあった鉢皿に生き物発見.
コシマゲンゴロウ.
久しぶりに見ました.
夕方暗くなってきた頃,窓から巨大な飛行物体が.
ケラでした.
ケラって飛ぶんですね.
知っていたような気がするのですが,実際飛んできた時はなんだかさっぱり分かりませんでした.
クロゴキブリの飛翔と同じ感動でした.
2012 .10.12
またまた 机に招かざる客
Often He is an uninvited visitor to my desk.
カネタタキといい,不明のゴキブリ(正体判明)といい,いろんな虫が出没する.
本日は,超メジャーなチャバネゴキブリでした.
動きは比較的とろいので写真は撮りやすい.
いい気になって撮っていたら,結構あちこち歩かれた.
産卵中の♀.
捕獲しておいて良かった.
侵入経路も判明.
現場から回収してきたネズミ捕獲器の回路内に侵入していた個体であった.
ちなみに前回の謎ゴキはPhoetalia pallida でした.
なぜこんな所にいたか,これまた人には言えない心当たりがあり.
原因判明で一安心.
2012 .10.11
ゴキブリ生け捕りトラップ Made in USA.
The capturing-alive capture machine for cockroaches.Made in USA..
結構大型の滑って落ちる落とし穴タイプのトラップ.
取引先の企業から,面白いものがあるとの事でお借りした.
本当は,粘着シートも付属するちゃんとしたゴキブリ駆除器.
白いのは滑りを良くする為の炭カル.
製品には粉がついていたが,粉だらけになるので,炭カルにした.
捕獲して生かすために,固型飼料とニンジンをラップで包み,少しだけ切れ目を入れた.
真中に,付属の誘引剤を置く.
完成品.
これを,上野のワモンゴキブリが生息している天井裏に設置.
回収は今月中旬.
お楽しみ.
2012 .10.10
エタノール殺虫 その2
Insect killing using alcohol. Vol.2
エタノールによる殺虫は,微小な昆虫に威力を発揮する.
前回はヒトスジシマカでしたが,今回は強敵ニクバエ.
止まった瞬間を狙い,必死に霧吹きのコックを握り何とか仕留める事が出来た.
一度飛行能力が殺がれればこちらのもの.
しかし,そこいらじゅうアルコール臭が漂う事になるのは仕方ない.
こうなると何の種かさっぱり分からない.
乾燥させてポーズをとらせたついでにハエのオモチャとの比較.
こんなものでしょう.
ちなみにシリアカニクバエでした.
2012 .10.9
Eurycotis sp.( Saint Martin)産卵
Laying eggs of Eurycotis sp.( Saint Martin)
いくつかの雌が産卵を始めた.
産卵後も濃茶にならない卵鞘がいくつか見られる.
この傾向は,卵鞘を産み落とす大型のゴキブリによく見られる.
特に本属を含め,Eurycotis属やDeropeltis属に多く見られる.
インブリの影響もあるかもしれないが,今のところ累代をする上で,特別支障は感じていない.
しかし,Archiblatta hoeveniiのように,突然孵化率0%になる種もいたので,油断は禁物である.
2012 .10.5
ヨロイモグラゴキブリ衰弱
Macropanesthia rhinoceros has become weak.
最近,若い個体が殖えて来ており,飼育は安定していると思っていた.
そんな中,Adult 雄の動きが鈍くなって,腹節も伸びた変な状態になっている.
寿命が長い本種とは言え,いつかは尽きるはず.
つきた後は標本にしようと思い,隔離飼育にしたが何と無くまだ生きている.
こんな容器に入れると,昔クワカブをやっていた頃のショップの陳列に見えて,とても弱っている昆虫に見えない.
しかし,触角は先端が欠損して,高齢といった風貌である.
2012 .10.4
机の上に来客
The cockroach which haunted the desk
様々な虫が出没する事務所だが,今回はこれまた珍客が.
これは明らかに国内種ではない.
なぜ飼育室ではなく,事務所にいるのか.
原因と種は大体検討つくが,とりあえず終齢のようなので,飼育して確認する事にする.
2012 .10.3
ワモン出現
Periplaneta americana appearance.
ゴキブリ類の飼育は大体夜間に行う.
だからって「ワモンが徘徊しても良い」との関係は全くないが.
オガサワラゴキブリの飼育棚にワモン発見.
遠目に雄と分かったので,真剣に捕獲体制をとらなかったのだが,逃げた.
いずれはトラップに入るとは思うが.
2012 .10.2
綺麗な生き物なんですが
It is a beautiful living thing. (Pseudomops septentrionalis)
よく増え,飼育環境が多少悪化しても,もろい感じはしません.
分布はUSA,メキシコ,コスタリカ.
結構広い地域に見られるようです.
しかし,インドに行った時も,インド原産のTherea属を探しましたが,見つかりません.害虫種なら見つかりますが,野外種は生息ポイントが限られているのかもしれません.
2012 .10.1
ニホンヤモリ
Gekko japonicus
出勤すると,階段の脇で発見.
外ではたまに見かけたが,事務所内では初めて.
どこかの通気窓から入ったのだろう.
飼って見ようかと捕まえたが,飽きて逃がす時機が冬になりそうなので,窓からはなしてあげた.
ヤモリはご存知のように「守宮」「家守」と書き,昔から可愛がられてきた.
アシダカグモ同様,家の周りの小昆虫を餌にしている有益な動物である.
しかし,近年,「気持ち悪い」といった理由から駆除の対象にされつつあり,人間の生物嫌いもここまで来たか!と嘆かわしくなる.
2012 .9.29
Deropeltis sp.のMasai Mara と Jinka その2.
Masai Mara and Jinka of the Deropeltis sp. Part 2.
腹端部の形態.
左がJinka,右がMasai Mara.
何と尾突起に違いが.
Jinkaは肛下板の両端に各1ずつ計2つあるが,Masai Maraは右に1つしかない.
破損の可能性もあるので,あるべき場所を拡大して確認.
結果は窪みはあるが,破損したような痕跡ではない.
各ケージから死亡している5個体を拾い再確認すると,Jinkaは100%1対の尾突起が確認できたが,Masai Maraは1対あるのは1個体だけで,残りは右に1つあったり左に1つだったり,まちまちであった.
こうなるとさらに多くの個体を調べないと分かりそうも無い.
次にGenitalia.
L3.
R2.
左がJinka,右がMasai Mara.
大きな違いは.
見られない.
2012 .9.27
Deropeltis sp.のMasai Mara と Jinka その1.
Masai Mara and Jinka of the Deropeltis sp. Part 1.
Deropeltis sp. Masai Mara とJinka.
Masai Mara ♀.
Jinka ♀.
Masai Mara幼虫.
Jinka幼虫.
これも,以前の Lucihormetica verrucosa とL.sp. Venezuela
同様,生息地が微妙な距離にある「よく似た種」.
Jinkaはエチオピアのある地域の名称.
Masai Mara はケニア南西部のタンザニアとの国境付近.
Jinka と Masai Maraは直線距離にして約1,000キロ離れた位置にある.
日本で言うと,東京⇔福岡程の距離.
しかし,こちらは陸続きの大陸内での1,000㎞.
はたして,別種が存在する距離だろうか.
まあ,「2種とも分類の出来ていないJinka とMasai Maraで採集された種」だけなので,同種でも問題ないが,分けて流通してしまうと気になります.
2012 .9.26
3歳を迎えたワモンゴキブリ♀
Female of the Periplaneta americana which became 3 years.
2009年9月24日孵化.
2010年10月18日羽化.
成虫になって708日
産卵卵鞘数63個.
1卵鞘16卵として,産卵数1008.
よく見ると翅端が破損してきている.
成虫寿命200~700日からするとすでに高齢.
私のところでは776日の記録があるので,あと2ヶ月ほど頑張って記録更新してもらいたい.
(数値は原色ペストコントロール図説第1集より引用)
2012 .9.26
3歳を迎えたワモンゴキブリ♀
Female of the Periplaneta americana which became 3 years.
2009年9月24日孵化.
2010年10月18日羽化.
成虫になって708日
産卵卵鞘数63個.
1卵鞘16卵として,産卵数1008.
よく見ると翅端が破損してきている.
成虫寿命200~700日からするとすでに高齢.
私のところでは776日の記録があるので,あと2ヶ月ほど頑張って記録更新してもらいたい.
(数値は原色ペストコントロール図説第1集より引用)
2012 .9.25
Eurycotis sp.( Saint Martin)の交尾
Copulation of the Eurycotis sp.( Saint Martin)
9/3に「暑さが恋しくなった」なんて書いた為か,残暑厳しかったですね.
やっと,涼しさを実感できるようになりました.
交尾です.
多分右が♀.
2012 .9.24
オオモリゴキブリF2
Filial Generation 2 of Symploce gigas gigas
昨年も成虫になった時期はこの時期でした.
本世代の冬季の管理温度は24℃前後,夏で25~27℃.
生息地の最低気温が15~20℃(1月)なので,現地に近い環境でしょうか.
現地での成虫の発生は8月頃からでしょう.
そういえば,マルバネゴキブリ,ヤエヤママダラゴキブリもこの時期に成虫になるので,野外種の成虫発生時期はこの時期に集中しているのかもしれません.
2012 .9.21
カネタタキ
Ornebius kanetataki Matsumura
机の上に突如出現.
捕まえる前に何とか写真を撮ろうとするのがブロガーの悲しい性.
見たことはあったが,種名は出てこなかった.
直翅の人に笑われるかもしれないが,ゴキブリは幼虫だろうが大体分かるが,この辺の種はさっぱり分からない.
捕獲して,図鑑調べたらすぐ判明したが,結構きれいな種だと気づいた.
そういえば,最近机まわりで,チチチチチチのような聞きなれない音を耳にしていた.
個人的には,ヤドカリが鳴いている・
鳴きヤドカリ?
ぐらいの認識だったが,正体がやっと分かった.
それにしても,種小名がkanetatakiとは.
素晴らしい.
2012 .9.20
コンタミ続く
The contamination still continues.
本種の属が判明し,同定がなされているようです.
某HPでは以前まで,Blattellidae spec. Mauritiusとなってましたが,今見ると
Anallacta methanoides.となってます.
本種のタイプ標本の採集地はマダガスカル島のようですが,モーリシャスはマダガスカル島より海上500㎞の距離なので,外れてはいないと思います.
さて,コンタミです.
床を変えたのですが,また数匹見つかりました.
産卵でもされていたら,まだしばらく続きます.
まあ,種間競争による,減少は無い様なので様子見とします.
2012 .9.19
巨大マダゴキ Gromphadorhina oblongonata
Huge cockroach Gromphadorhina oblongonata.
ケージ内より,特に大きい3個体を選伐.
その中の最長個体.
100mmは軽く越えている.
ヨロイモグラゴキブリより体長は長い.
翅とか計測しなければ,本種が世界で最も大きいゴキブリではないかと思うが,いかがでしょう.
2012 .9.18
クロゴキブリとご対面
I have come across Periplaneta fuliginosa.
衛生動物飼育実験棟の屋上踊り場でご対面.
以前の事務所は,しょっちゅう見かけたが,ここに越してきてからは,あまりお目にかかってなかったので,帰るのも忘れ向き合ったが,闇夜の黒色は中々綺麗に撮れない.
最後は,コンクリートの割目に消えていった.
2012 .9.14
Lucihormetica verrucosa とL.spec. Venezuela雄成虫比較
Comparison in the form of the male imago about a Lucihormetica verrucosa and the L.spec. Venezuela.
よく似ているこの2種.
L.verrucosaの生息地は,Venezuela,Colombia.
L.spec. Venezuela.の生息地は多分 Venezuela でしょう.
それでいてよく似ているとなれば,普通は同種扱いをしても良さそうだが,幼虫の形態に違いがあるようなPHもある為,今後は幼虫が生まれたら,幼虫と雌成虫の比較も行おうと思う.
とりあえず,雄成虫.
左がL.verrucosa,右がL.spec. Venezuela.
以前もL.verrucosa.雄の形態の変異をご紹介したが,このあたりの形態の違いは,個体差のレベルに思う.
L.verrucosa の肛下板.
L.spec. Venezuela のの肛下板.
違いは見られない.
肛上板. 左がL.verrucosa,右がL.spec. Venezuela.
違いは分からない.
Genitalia Left pallomera 3.
左がL.verrucosa,右がL.spec. Venezuela.
違いは・・・・細かいところを見れば違いはあるが,個体差のレベルではないかと思う.
唯一明確に違ったのはこれ.
L.verrucosa
Genitalia Left pallomera 2 dorsal(だと思う).
それと,Right pallomera 2.
互いに大きさや形が違う.
しかし,これも個体差かも知れない.
結構手間かけた割には??.
結論は次回,次々回に持ち越し.
2012 .9.13
ヨロイモグラゴキブリ近況 Ⅱ
The present condition of the Macropanesthia rhinoceros.Ⅱ
マット交換から1ヵ月.
その時与えたユーカリは殆んど消費され,数匹が地上に出てきていた.
飼育下だと成長が早いのか皆かなりの大きさまで成長している.
それで,再度ユーカリの追加.
11匹+仔3匹で,約1ヵ月で食い尽くす.
2012 .9.12
アマミモリゴキブリ交尾と様子
Copulation and the breeding state of Episymploce amamiensis.
ペットローチとして世界で流通する種の共通点は「丈夫」.
これに尽きる.
昨年夏に,ノミバエが侵入した害虫種代表のBlatta orientalis と野外種代表の Periplaneta banksi だが,結果はBlatta orientalis は完全復活.Periplaneta banksi は全滅した.
そのように,日本国内種の野外種も,微妙な環境変化で全滅する危険がある.
本種も,あまり「パッ」としないが,こまめに状態観察を実行している.
好きな種でもあり,入手しにくい種でもある.
交尾.
少しよれた飼育風景.
2012 .9.11
Blaberus craniifer „ Black Wing“ Ⅱ
Blaberus craniifer „ Black Wing“ Ⅱ
最近話題にも上らなくなった感のある本種.
国内デビューした時は,結構人気を博していたと思ったが.
ブラベルス属全般に言えることだが,非常に丈夫で増えやすいため,皆飽きてきたのだろう.
やはり珍しい物に目が行くのは仕方ないかもしれない.
裏面.
現在は,飼育している人も少なくなっているかもしれない.
きれいなゴキブリです.
2012 .9.10
Polyphaga saussurei 無性卵
The asexual egg of Polyphaga saussurei.
昨年よりずーと産卵し続けている.
いくらなんでも卵鞘1つ位は孵化しても良いはず.
やはり雄がいなくて無性卵を生んでいるかもしれないので,古そうな卵鞘を2つほど割ってみた.
その1.
その2.
結果は予想通り全く発生している形跡なし.
やれやれ,どうやらこの集団内には雄はいない様だ.
ゴキブリの多くの種は,交尾無でも卵鞘を産む種が多く存在する.
また,ワモンゴキブリはその卵鞘が結構な率で孵化する.
しかし,その中には雄は存在しないので,正当な飼育をしたいなら雌雄そろえなければ出来ない.
2012 .9.7
小笠原のオオムカデ
The centipede which inhabits Ogawawara Islands.
以前採集したムカデ.
現在12cm.
なかなか大きくならないですね.
給餌のタイミングや間隔もよく分からない.
突如として死亡する個体もあり,やはり昆虫でじっくり大きくするのが良いのかもしれない.
ムカデの愛好者はゴキブリより結構多いようで,海外でも大型の種などは人気があるようです.
しかし,ゴキブリ同様放し飼いは出来ないペットですね.
2012 .9.6
チャバネゴキブリの幼虫群
The larva group of a German cockroach.
床換えするため,シェルターを移動させようとしたときのこと.
このチャバネケースは,飼育放置により,前回床換えの際,壊滅寸前まで減ったケース.
従って,齢数が揃ってしまったようだ.
私もこんな状態ははじめて見た気がします.
もう一枚.
普通は成虫やサイズの違う幼虫が混ざるのですが.
床換え終わり.
2012 .9.5
ヒメチャバネゴキブリ潜水
Blattella lituricollis also diving action.
飼育に使っているプラケは,床換えで入れ替えをすると,その度に洗浄し,塩素殺菌を行っている.
その殺菌現場に白昼堂々チャバネ?
早速確保しようとすると,何と水中にダイブ.
さらに,気泡をつけたままケース底面まで歩いている.
取り出して良く見るとヒメチャバネゴキブリ.
はたして本種が,マダラゴキブリ類のように,日常的に水中に潜るだろうか.
そんな報告は聞いた事はないが,これがゴキブリ研究の面白いところ.
研究者が圧倒的に少ない為,少し掘り下げれば幾らでも新知見が見つかる可能性がある.
皆さんも始めてみてはいかがでしょう.
2012 .9.4
クロワモン F1
Melanism type F1 of Periplaneta americana.
昨年の夏に,前胸背板が黒化した個体を別飼育始めたが,F1でも雌はかなり黒い.
しかし,雄は普通に黄色の紋が出ることが分かった.
そこで,最も黒い♀2匹と,最も黄色部分が黒い雄を1匹(後はほとんど黄色)をさらに別飼育する.
雌.
雄.
ワモンは寿命も長ければ成虫になるにも1年近くかかる.
前にも言ったが,下手な小型哺乳動物より長生きである.