ゴキブログ一覧
2008 .6.4
ブラベルス属について
ゴキブリの中で,日本国内において餌やペットとして多く流通している種に,
ブラベルス属Genus Blaberusが上げられる.
その他にペットローチとしては,通称「フルーツゴキブリ」「マダゴキ」と言われる,
成虫になっても無翅の大型ゴキブリGenus Gromphadorhina.がある.
こちらはまた次の機会に紹介するとして,
ブラベルス属の違いについて少し比較してみた.
Allpet Roaches にはブラベルス属が7種類紹介されている.
海外のゴキサイトは大体どこもこのぐらいの種が書いてある.
アトロポス :Blaberus atropos
コロセウス :Blaberus colloseus
クラニファー :Blaberus craniifer
ディスコイダリス :Blaberus discoidalis
フスカ :Blaberus fusca
ギガンテウス :Blaberus giganteus
パラボリクス :Blaberus parabolicus これはペルーコレクションのdiscoidalisによく似た腹部の大部分が黒いタイプとの事で,ちょっとよく判らないのでパスします.
そうすると,大きく分けると6種程になるようである.
現在飼育しているのはこの内4種であるが,種名は入手した時に付いていたものをそのままとりあえず記す事とする.
2008 .6.3
ブラーミニメクラヘビ脱皮
ライトブルーのメクラヘビがいた.
どうも脱皮直後らしい.
と思っていたのだが,なんと脱皮前であったようだ,
餌をあまり食べないと思っていたら,2匹になっているのでビックリ.
よく見ると,一つは脱皮殻であった.
掘り出すとこんな感じ.
拡大すると,ヘビの証の鱗が見える.
ミミズではなく,ヘビなんだとしみじみ思う.
2008 .6.2
韓国のTV番組 KBS出演
今年2月に韓国で放送された番組に出演した.
「科学Cafe Animal Science」という結構真面目な番組.
KBSは日本で言えばNHKと同じ様な位置づけらしい.
特集番組で「世界のゴキブリバカ?」ではないが,
ゴキブリを研究しているが実はゴキブリ大好きなゴキバカみたいな内容?.
めずらしくネクタイをしているが,作業服を着ていたら,
着替えてくれと言われ,こうなった.
文化の違いらしい.
私の声は韓国語に吹き替えられており,何をしゃべっているかよく判らない.
変な事はいっていないと思う.
ジャイアントウッドローチ Archimandrita tesselata (Rehn)
グリーンバナナローチ Panchlora nivea (Linnaeus)
2008 .5.30
ブラーミニメクラヘビ餌
本種の餌について.
シロアリを食べる事は様々な情報筋より間違いは無いと思うが,
本当に食べているのだろうか.
そう思いプリンカップにヘビを入れ,シロアリを入れてみた.
なんとやはり食べていた,しかし頭部は硬いのか,
残しているのが観察された.
10匹入れたシロアリは約3日で完食されたようだ.
2008 .5.29
アオダイショウ
爬虫綱 有鱗目 ヘビ亜目 ナミヘビ科 メナラ属
アオダイショウElaphe climacophora
都内の営業所より頂いた.
都心で最もよく見るヘビである.
この個体は,昨年生まれのベビーの様だ.
体長47㎝.まだあどけない動きがかわいい.
アオダイショウの幼蛇は紋様が成蛇と全く異なり,マムシの様な斑紋が現れる.
次の写真はクマネズミ駆除にアオダイショウを利用したときの写真.
というのは真っ赤な嘘であるが,食べているのはクマネズミである.
おそらく都会のアオダイショウは,クマネズミやドブネズミを食べていると思われる.
2008 .5.28
欲張りオオムカデ
過去にこのブログで紹介していたオオムカデは,
残念な事にあの産卵の後,死亡してしまいました.
その後,前回の小笠原渡島の際,新しい個体を捕まえてまいりました.
大変勢いがあり,コオロギを4,5匹与えるとあっという間に殆ど捕捉してしまう.
大した器用さである.
歩肢が牢屋の鉄格子のようである.
害虫といわれる様々な生き物を飼育してきたが,
ムカデの餌に対する取り組み方は,見ていて飽きない.
これだけ食べっぷりの良い生き物は余りいない.
皆に嫌われるムカデであるが,これだけ昆虫類を食べてくれれば,
都心に生活する虫の嫌いな人にとっては,神様的な生き物に思うのだが.
2008 .5.27
餌皿の卵鞘
ゴキブリ飼育の際,餌を写真のようなプリンカップに入れて与えている.
餌のカスが飛び散らず,交換が簡単に出来るのでほとんどの種に導入している.
この餌皿に卵鞘を産み付ける種がいる.
主にPeriplaneta属に見られる.
これはコワモンゴキブリ.
餌を食べつくした後,卵鞘がゴロゴロ現れる.
これはワモンゴキブリ.
トビイロゴキブリ.
全く産んでいない.
餌の近くに産み付けるのは,
孵化した1齢幼虫がすぐに餌を食べる事が出来るようにとの,母の思いやりであろうか.
2008 .5.26
カベアナタカラダニ 5月の様子
浅草の事務所屋上で見つけた.
すでに1㎜近くまで成長しており,写真を撮ろうとしたが動きが素早く,
全然ピントが合わないので,指で当て身をくらわせ,静かになった瞬間を撮った.
拡大
上野営業所の人に今年のタカラダニ駆除件数を確認したところ,
台東区は今のところあまり多くないとの事.
皆さんのところはどうでしょう.
2008 .5.23
ヤマトシロアリ群飛
シロアリと言えば郊外の住宅地を連想するが,
東京都心部でもこの時期は羽アリが飛び立とうと群れているのをよく見かける.
これは上野の生き物大好き所長が撮影した物.
場所は水道橋の街路樹.
羽アリと一緒に兵蟻や職蟻も出てきていた.
見送りにきたのであろうか?
「さようなら,元気で.」とでも語りかけているように見える.
2008 .5.22
サツマゴキブリ 産仔
3月25日に卵を排出している個体を見つけた.
卵鞘は産み捨てられるものと違い卵殻が薄く,中の卵が良く確認出来る.
数えてみると片側で19まで数える事が出来る.
そして,昨日.
別容器に移して管理していたら,幼虫がいるのに気づいた.
卵鞘収納より約45日後である.
幼虫の数は40匹.
チャバネゴキブリの卵鞘からほぼ同数の幼虫が出てくる事から,
野ゴキとは言え,増えるわけである.
2008 .5.21
小笠原の絵タイル
歩道路面に小笠原にちなんだ生き物や乗り物などの絵タイルが埋め込まれているのはご存知だろうか.
私も今まで全く気が付かなかったのだが,
矢部博士に言われ見に行くと,様々な種類のタイルが埋め込まれていた.
さすがにクマネズミは見つからなかったが,
グリーンアノールは2種類見つかった.
東電前の歩道.
村役場付近.
いく機会がありましたら探してください.
他にも沢山種類があるようです.
長かった小笠原編は今日で終わりとなります.
明日より再びゴキブリ中心の内容に戻ります.
2008 .5.20
小笠原の生き物 その他外来種
外来種 ノヤギ.
道路や住宅近辺にも出没し,人を見ても距離を置くだけで逃げ出す事は無い.
外来種 ホオグロヤモリ.
林内の枯れ木の樹皮下に多く見られる.
2008 .5.19
小笠原の生き物 オガサワラアメンボ
コペペ海岸にて.
小笠原で観察しやすい天然記念物の一つ.
父島ではオガサワラゼミやオガサワラトンボなどの固有の昆虫類は,
ほとんど見なくなったと聞く.
もう一つの天然記念物.
オカヤドカリ.
普段見かけるのはアフリカマイマイの殻に入っているのだが,
サザエの貝に入っている個体を初めて見た.
2008 .5.16
小笠原の生き物 カニムシ
ビロウの枯れ葉を探すとたまに見つかる.
小笠原には10種のカニムシが報告されており,
特に本種のように大型になるテナガカニムシがいると聞きます.
これがそうかは??としておきますが,5㎜内外で存在感があります.
父島にて.
2008 .5.15
小笠原の生き物 野鳥の餌
イソヒヨドリがアノールをくわえて目の前に下り立った.
ちょうどこの時期は,グリーンアノールの幼体が多く,
頻繁に餌になっていると聞いたことがあるが,
この鳥が食べているのは成体のようである.
こちらはイソヒヨドリの♀だろうか,
こちらは小型の爬虫類を食べていた.
2008 .5.14
小笠原の生き物 クマネズミの餌
小笠原諸島はタコノキが非常に多く,
この実がクマネズミの重要な食料となっている.
路上に落ちていたタコノキの実.
見事にクマネズミの歯型が付いており,
当然中の種子が食べられて入っていない.
この実,そんなに好きなら中はどうなっているか確かめたく,
取り出そうとしたことがある.
しかし,種子を保護している実の部分があまりにも硬く,
その時手許にあった工具(カッター・ニッパーごときでは全く歯が立たない)
では取り出せなかった記憶がある.
それを齧ってしまうのだから,その噛む能力は対したものである.
その近くで,茂みに眼をやるとなんとクマネズミが!
2008 .5.13
小笠原の生き物 ハエ類
車で走っていると,オオヒキガエルの轢かれた死骸が目に付く.
道路で一番多いのはオオヒキガエル,次にクマネズミ.
3月にきたときはイエバエやニクバエらしきハエが結構飛んでいたが,
今回はこの複眼の巨大な頭でっかちなハエしかたかっていなかった.
このハエ最初に来た2月には枯枝に数珠状に止まっており,
気にはなっていたが,捕まえて調べるところまでは踏み出せないでいる.
拡大すると,こんな感じの意外と愛嬌のある風貌である.
通常ハエ類成虫の雌雄は複眼間の間隔により見分ける.
左上の左右の眼が接しているのが♂.
右下の複眼の間に隙間があるのが♀と思われる.
2008 .5.12
小笠原の生き物 チョウバエ
小笠原の屋外で仕事をする際は,一応トイレの場所をチェックしてある.
大きな島ではないので,宿まで戻るのも良いが,やはり時間がもったいない.
良く行くのは三日月山や小港・コペペ海岸.
浄化槽があるところであれば大概は見つける事が出来る.
どうも内地にいる種とは違うような気がするが,
持ち帰り同定するまでの元気が無かった.
2008 .5.9
小笠原の生き物 軟体動物
この場所は狭い場所で,沢山の外来種に出会える.
ニューギニアヤリガタリクウズムシ
本種は特定外来生物の為,生きて持って帰る事はできません.
陸生貝類を捕食する為,小笠原のカタツムリを絶滅に追いやっっている.
その餌となっているアフリカマイマイ.
こちらも同様島より持ち出し出来ません.
2年前にきたときより増えている気がする.
両種とも広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis )の宿主とされる.
2008 .5.8
小笠原の生き物 グリーンアノール
ここ洲崎は林縁を好むギンネムが繁茂している.
その為,日差しが良く差し込む場所を好むグリーンアノールを観察するにはよい場所である.
ちょうど4月のこの時期は去年ハッチした幼体が多く見られ,
親子のようなサイズの個体が入り混じって見られる.
人が近づくと,首を傾げながらじっとこちらの出方を伺う仕草が見られる.
それ以上近寄ると瞬く間に,下草の中に身を隠し,見失ってしまう.
しつこく追ってみると,草の中に紛れ込みながら,
やはりこちらを伺っていた.
逃げアノールである.
こうなるともう追う事は出来ない.
2008 .5.7
小笠原の生き物 クマネズミ捕獲
離島では,クマネズミ駆除研究事業が進められている,
毎回小笠原に来るごとに,「今回こそは持って帰りたい」と願い,トラップを仕掛ける.
しかし,毎回,めんどくさくなりやめてしまうのだが・・・.
今回は気合いを入れいつものごとくカゴを数台持ち込みセットした.
内地では数台では殆ど捕まえらないのであるが,
成果は6台仕掛け一晩に2匹捕獲.
性別は雌雄各1匹.
都会では,屋外の自然光の下で見る機会が無い為か,家ネズミというよりも,
野ネズミといった風貌である.
ちなみに,この写真のカゴ内に入っている松葉のような物は,
モクマオウという種類の外来植物の葉っぱで,
オーストラリアのヨロイモグラ生息地域では餌にされていると聞き,
採ってきて今与えているが,食べているかは??
2008 .5.2
小笠原の生き物 ブラーミニメクラヘビ採集
過去に1匹しか採集した事がなかったが,
今回はこの場所だけで,しかも1㎡にも満たないエリアで4匹採集した.
本種の食べ物はシロアリやコオロギの卵と言ったうわさが流れており,
シロアリが多く生息している場所にいるかと思ったが,
この場所は,シロアリは一匹も生息していない場所であった.
いるのはワラジムシやヤスデ・小型のアリ・オカトビムシ(陸生ヨコエビ)
が非常に多く,このような生き物を食しているのではないだろうか.
実際,狭いケージ内に4匹入れ,ワラジムシを入れておいたら,
ワラジムシが1匹もいなくなっており,小型の土壌動物なら何でも食べるようだ.
2008 .5.1
ワモンゴキブリ♂の交尾行動
小笠原に興味のない方がいては退屈なシリーズかと思い,
ワモンゴキブリ♂の交尾行動を.
小笠原から帰ってきて,残務処理に追われていたある夜,
ゴキブリケージの中に騒がしい音がするものがあった.
何事かと確認するとワモンゴキブリケージ内で♂成虫が翅をばたつかせている.
しかも何匹も.
♀はシェルターの中に待避しているようで,♂の群れがむなしくバタバタしていた.
そのうち疲れたのかひっくりかえてしばらく起きあがれなくなる個体も現れる始末.
お疲れ様でした.
2008 .5.1
ワモンゴキブリ♂の交尾行動
小笠原に興味のない方がいては退屈なシリーズかと思い,
ワモンゴキブリ♂の交尾行動を.
小笠原から帰ってきて,残務処理に追われていたある夜,
ゴキブリケージの中に騒がしい音がするものがあった.
何事かと確認するとワモンゴキブリケージ内で♂成虫が翅をばたつかせている.
しかも何匹も.
♀はシェルターの中に待避しているようで,♂の群れがむなしくバタバタしていた.
そのうち疲れたのかひっくりかえてしばらく起きあがれなくなる個体も現れる始末.
お疲れ様でした.
2008 .4.30
小笠原の生き物 ゴキブリビントラップ
去年来た時に,ビントラップを使用し,ミナミヒラタゴキブリ,オガサワラゴキブリ,コワモンゴキブリを捕獲した実績があるため,今回も同様の仕様でセットした.
雨も予想して,倒木の下や椰子の枯れ葉を被せて,雨除けとした.
しかし今回の訪島中あまり天気が良くなく,夜になると毎夜土砂降りとなり,
翌日早朝見に行くと,全て水が浸入している有様だった.
しかし,中には餌が無くなっているビンもあり,
どうもクマネズミに餌を盗られる際,雨除けをどけられている感じだ.
結局今回のビンとラップの成果は,2日×6個仕掛けて,ゼロであった.
クマネズミが好きそうな餌も入れているため,屋外用としては改良が必要である.
2008 .4.28
小笠原の生き物 コワモンゴキブリ
コワモンゴキブリは建築物内に多いようなイメージがあるが,
小笠原では,屋外でしか見たことがない.
と言っても建築物内ではなかなかゴキブリ採集がやり難い面もあるが,
飲食店や宿の人に聞いてみても,優先種はチャバネゴキブリのようだ.
ワモンは私も室内で何度か捕獲や目撃はしているが,コワモンはない.
今回も腐葉土の中を探していたらコワモンゴキブリ幼虫が出てきた.
成虫は夜山間の路上を徘徊しているが,若齢幼虫はこのような所に潜んでいると思われる.
沖縄でもコワモンは森林でよく目撃されるような事を聞いたことがある.
家屋内にも住めるが,好みの場所は森の中なのかもしれない.
2008 .4.25
小笠原の生き物 ナゾの卵鞘とカンショオサゾウムシ
枯れたヤシ科の葉と思われる,
葉の折れ目にミナミヒラタかオガサワラウスヒラタの卵鞘が付いていた.
この他にカンショオサゾウムシも別の葉に付いていた.
なお,同定はS研の昆虫学者K氏にして頂いた.
ありがとうございました.
2008 .4.24
小笠原の生物 オガサワラゴキブリ
オガサワラゴキブリの生息状況に興味があるので採集した.
街中での採集は,ちょっと目立ちすぎるのと,
私有地での採集になりかねないので,洲崎で採集した.
この場所は,クマネズミの捕獲や,グリーンアノールなどが沢山いる地区で,
なによりも人の出入りが少ない事から,落ち着いて採集出来る場所である.
今回,たまたま植物の伐採残材が廃棄されている場所があり,
いい感じに腐食していたので,その中を探ってみた.
この腐食残材の山は害虫の楽園とかしていた.
まずはオガサワラゴキブリ.
街中の私の知っているポイントほど,集中して生息はしていないが,
沢山捕れた.
2008 .4.23
小笠原の生物 オガサワラウスヒラタゴキブリ終齢幼虫
本種を採集した場所は,ミナミヒラタゴキブリも採集する事が出来た.
この2種は外見がよく似ているため,初齢幼虫では識別は難しいと思う.
今後,ウスヒラタゴキブリ,ミナミヒラタゴキブリ各幼虫と比較してみようと思う.
こちらはオガサワラウスヒラタゴキブリおそらく終齢幼虫.
ミナミヒラタとは明らかに翅芽(?)の大きさが違うようだ.
2008 .4.22
小笠原の生き物 オガサワラウスヒラタゴキブリ
チャバネゴキブリ科 Blattellidae
ウスヒラタゴキブリ属 Onychostylus Bolivar
オガサワラウスヒラタゴキブリ Onychostylus pallidiolus boninensis Asahina
過去に数回行ったが,本種を見つける事が出来なかった.
本種は学名からも判る様に“boninensis” 小笠原固有種である.
特徴は成虫・幼虫とも♂♀腹部腹面の側方に黒褐斑を発達させてくる.
らしい.
前回の経験を踏まえ,ビロウの枯れ葉を捜した.
中齢幼虫.
腹面が明らかに黒いのが判る.