ゴキブログ一覧
2009 .8.21
シナゴキブリ 卵鞘
♀が卵鞘を尾端に付けている.
拡大.
横向きに付けている.
落ちていた卵鞘.
本種もエジプト砂漠やカプチーナのように,大きさがバラバラ.
大きいものは15mmを超え,小さい卵鞘は5mmほど.
それでも孵化するのだろう.
標準的な大きさの卵鞘拡大.
右に突き出たヘラ状の部分を,腹端にで保持しているのだろう.
2009 .8.20
シナゴキブリ雌雄
♀成虫の胸部各背板(前・中・後)のふちは金色に縁取られ,
漢方薬の高級感を漂わせる.
♂腹端部.
腹端まで腹板が細かく配列される.
♀腹端部.
腹板数が♂に比べ明らかに少ない.
2009 .8.19
マダラサソリ脱皮殻
国内のサソリは小さいため場所をとらなくて良いのだが,
自然木のシェルターを使っていると,
今回のように子供を産んだ後など,何匹生き残っているか確認しにくい.
ヤエヤマサソリがいい例で,何匹いるか見当も付かない.
餌やりついでにシェルターをどけてみると,脱皮殻が落ちている.
どうやら一斉に脱皮したようだ.
最近の餌は ショウジョウバエが中心なので,脱皮殻が残っているのだろう.
(コオロギだと食べられてしまう可能性アリ)
これを数えれば何匹いるかわかる.
16個ある.
意外と残っているので安心した.
本当に小さいので,餌を食べているのか確認できていないが,
このサイズまで生き残って,この数がいれば共食いもしていないのだろう.
多頭飼育してこの結果であれば,まずまず飼育しやすいサソリという事になる.
拡大.
小さくてもキョクトウ.
特徴が現れているように見える(サソリは詳しくないので違ったらごめんなさい).
2009 .8.18
マダゴキ Gromphadorhina oblongonata
一言に「マダガスカルゴキブリ」 といっても様々な種がいるようで,
国内にも10種類近くの「マダゴキ」が輸入されている.
本種もその一つ.
マダゴキの中でも大型になる種で,100mm超えもあるという.
重量,横幅もあり,つやのある体色が特徴.
また,前胸背の突起も巨大で,見た目のインパクトは大きい.
体長は,マダゴキの場合 伸びた状態と,縮んだ状態で結構差が出るので,
計測する時は,リラックス?させ「でれ」とした状態で撮ると大きく撮れる.
2009 .8.17
ヤエヤママダラゴキブリ 寄生アブ
2007年冬に友人が採集した♀成虫の腹部から出てきたアブ.
アブの割には綺麗.
手元に来た時は腹部が卵鞘を持っているかのように膨らんでいた.
しばらくしてケースの掃除をすると大きな蛹がマットにある.
飼育室内でこんな巨大な不明種が自然発生する訳も無く,
おそらく,腹部に寄生していた幼虫が脱出し,蛹になったと思われる.
蛹(脱皮殻).
同定を試みたが,自力ではさっぱり解らなかった.
ゴキブリはその後もしばらく生きていたが,
結局子供を生むことも無く★となった.
どなたかわかる方がいれば,教えて頂きたいと思います.
2009 .8.14
生ゴミ処理ゴ機
ゴキブリのほとんどの種は,普通に飼育すれば大体増える.
増え始めると際限なくなる.
そうなると,繁殖数のコントロールは簡単に出来なくなる.
その証拠に,ゴキブリ用のエアゾールなどが市場にあふれかえっている.
ペットローチといえどもゴキブリ.
増えるものは増える.
小型種であれば場所は取らないが,
ジャイアントウッドローチのような大型種は大きなケージが必要となる.
虫体が大きくなると,食べる餌の量も増える.
少し餌をやらないでいると,手に乗せた時に皮膚をいきなり齧り出した.
人だと思っていない.
食い物と思っているようだ.
そんな彼らであるから,なんでも食べるだろうと「おにぎり(たくあん)」をあげてみた.
このおにぎり,昼に食べようと冷蔵庫に入れ,消費期限の少し切れた商品.
別に食べ物を無駄にしているわけではありません,念の為.
「エコ」ですかね.
4時間後.
指で持ち上げているのは海苔.
たくあんも見当たらない.
マットに戻すとまだ空腹なのか食べに来た.
白く見えるのは海苔に張り付いたご飯.
この感じだと,何でも食べてくれそうである.
2009 .8.13
アイスポットローチ ペア
羽化ラッシュが続き成虫が増えてきた.
夜間ギシギシ聞きなれない激しい音が聞こえるので,
音の出元を探すと,本種のケージから聞こえる.
底から中を透かしてみると,♂成虫どうしが前胸前縁をぶつからせている.
結構派手な闘争をするようだ.
この分だと狭いケージでの多頭飼育はまずいかもしれない.
と思い,ケージを開けて見たもののそれ以上手出し出来ず,
また蓋をしてしまった.
その時一緒に掘り出されたペア.
オオゴキのようにペアを確立し,縄張り意識も強そうである.
こうゆう種の飼育は意外と失敗しやすい気がする.
2009 .8.12
グリーンバナナローチ Giant 続き
「大きさしか違わない」では情けない.
そこで,各腹端部とその他簡単に違いを探してみた.
ノーマル♂の腹面腹端部.
Giant♂の腹面腹端部.
はっきり行って大差ない.
細かいところでは尾突起の幅や形.
肛下板の形が少し違う.
ノーマル♀の腹面腹端部.
Giant♀の腹面腹端部.
♀の場合♂より変化がある.
雌雄共通の大きな違いは,腹面にある気門が,
ノーマルはハッキリ確認できるが, Giantは確認できない.
もう一つ,頭部複眼間の色がノーマルは褐色になり,
複眼が繋がって見えるが,
Giantは体色と同じ色のため,複眼が離れて見えるところ.
う~ん・・.
いずれにせよ,大きさ以外は大差ないか.
2009 .8.11
グリーンバナナローチ Giant
Panchlora sp.”Giant”
Panchlora 属でペットルートに乗っている種は,
Panchlora nivea
本種Panchlora sp.”Giant”
そして,Panchlora spec. ” Northern Costa Rica “ の3種.
写真で見る限りどれも薄緑色の体色で違いが良く解らない.
これは.”Giant”の種.
やはり大きな違いはサイズなので,これでは何が違うのか解らない.
♂比較.
右が.”Giant”.
若干大きく見えるが,♂の場合個体差の範疇を出ない.
♀比較.
同じく右が.”Giant”.
♀は明らかに大きい.
終齢♀幼虫比較.
当然右が.”Giant”.
大きいが細部まで見ないと形態の違いはわかりにくい.
2009 .8.10
ヨロイモグラゴキブリ 繁殖
最近はほとんど姿を見たことが無く,プラケの底に空洞を掘り,
生きているのだけは確認していた.
今回,白いものが見えたので,もしやと思いよく見ると子供がいる.
巷では,繁殖成功の話がちらほらあったが,
やっとここにも春が来ました.
ちなみに飼育環境.
マットは安価な甲虫飼育マット.
餌は広葉樹枯葉.
ユーカリ腐葉土.
モクマオウ腐葉土.
たまにニンジン・固形飼料.
一番人気はやはりユーカリ腐葉土のようで,
多めに投入してもいつの間にかなくなっている.
ニンジン・固形飼料も食べているが,「大好き」という感じではない.
2009 .8.7
マダラゴキブリ幼虫
幼虫の特徴は特に無く,マダラゴキブリ全般に見られるように,
茶褐色で湿った場所を好む.
しかし,ヤエヤママダラのように水中に入っている事はあまり観察されない.
水場が無くとも湿った環境さえ維持できれば特に問題なく成長すると思う.
初齢幼虫もマララゴキブリ属は良く似ており,幼虫段階の同定は大変そうだ.
2009 .8.6
マダラゴキブリ
マダラゴキブリ科 Family Epilampridae
マダラゴキブリ属 Genus Rhabdoblatta Kirby
マダラゴキブリ Rhabdoblatta guttigera(Shiraki)
九州南部から種子島・奄美大島に産し,本種は九州以南沖縄本島北部までに分布するが,八重山には入らない.
♀成虫.
♂成虫.
大きい方がヤエヤママダラゴキブリ.
小さい方がマダラゴキブリ.
見て解るとおり,ヤエヤマを小さくした感じのゴキブリ.
2009 .8.5
ビートルローチ交尾?!
この状態を見たとき,一瞬カイコとゴキブリが交尾している??.
なぜ蛾が・・.
よく見ると,やはりそんな訳は無かった.
ちゃんとゴキブリ同士の交尾であった.
しかし,通常昆虫は羽化直後の,外骨格が固まらない状態では交尾などしない.
ワモンゴキブリは羽化後約1週間後から交尾を開始する.
普通はそう言うものだ.
これを見て思い出したのがあるユスリカの話.
そのユスリカは,♀が水面上で羽化を開始すると,
親切に近寄ってきて,脱皮の手伝いをする.
無事羽化が終わり♀が♂に礼を言おうとすると,
すかさず交尾に持ち込んでしまうらしい.
しかし,ゴキブリ類の中でもこんな事が起きているとは想像していなかった.
♀の翅が大分伸びてきた.
発見から1時間後.
やっと交尾終了.
しかし,♀は白いままだ.
2009 .8.4
シロアリ飼育 続き
去年夏の終わりに,処分品で安く購入した蟻の観察用品があることを思い出し,
本来は土を入れ,蟻を入れるのであるが,土の代わりにティッシュ.
蟻の代わりにヤマトシロアリを入れた.
ベースは1ヶ月ほど前に紹介したヤマトシロアリ飼育プリンカップ.
プリンカップの下部にシロアリが移動できる穴を開け,
これを蟻飼育キットの上部蟻投入口に接続した.
そして側面の観察面に黒い厚紙をクリップで固定.
接続直後に観察キットに移動をはじめた.
半月ほどして見てみると,上のプリンカップには全くいなくなり,
皆,下の空間に移動した.
拡大.
シロアリの行動が良く分かる.
どのくらいの期間飼育できるか楽しみである.
この蟻の観察キット,もう1つ買ってあり,
中が手狭になったら接続して見たいと思う.
ちなみに,イエシロアリのプリンカップは,上手く行かず半分が死亡していたので,ティッシュはやめ,土に埋め直した.
2009 .8.3
トルキスタンゴキブリ孵化
トルキスタンゴキブリ孵化の様子.
周りに散らばっている仔ではなく,卵鞘から頭を出している個体に注目.
カマキリの出嚢のように薄い膜(クチクラ)に包まれた状態で,
卵鞘接合部より頭部から出てくる.
まだ,クチクラにくるまっている状態.
薄い膜(クチクラ)は,卵鞘から幼虫が完全に出る直前に,卵鞘に引っかかり,
中身の幼虫だけが抜け出す.
たまにクチクラから出る事ができず,膜をかぶったまま死んでいる個体を見ることあがる.
足が確認できる.
孵化終了.
幼虫腹端に白いゴミのようなものがあるが,これが卵鞘の中で幼虫を保護していた膜.
たまにクチクラから出る事ができず,膜をかぶったまま死んでいる個体を見ることあがる.
ちょうど今回孵化した卵鞘の下にいる個体.
これはだめであろう.
そしてこのような頭部が黒い1齢幼虫となる.
2009 .7.31
トルキスタンゴキブリ 爪間板
餌昆虫としてマダガスカルゴキブリの座を奪った感のある本種.
他にも餌ゴキブリとしてはアルゼンチンゴキブリ(デュビア)等があるが,
マダゴキと同じく卵胎生.
初齢幼虫を集めるのも大変である.
そして硬い.
それに比べ本種は卵鞘を生むので齢数管理がし易い.
また,1齢幼虫は小さく,
爬虫類ハッチベビーから国産サソリなどの小型種の餌さとしてちょうど良い.
卵鞘を集めておくと孵化した幼虫を集めるのも楽である.
また,最大の特徴はプラケなどのケースを登らない事.
これはトルキスタンゴキブリ脚先.
ゴキブリが垂直面を登るのは,爪間板と呼ばれる器官が発達しているためであるが,
本種はそれが退化(進化?)しており,脱走の心配が少ない.
こちらは左がワモン,右がイエゴキ.
爪の間の白いスライム状のものが爪間板.
これを吸盤のように垂直面に張り付かせ登っていく.
2009 .7.30
トルキスタンゴキブリ
トルキスタンゴキブリ Blatta(Shelfordella)lateralis別名 チュウトウゴキブリ
ペット業界では「レッドローチ」として爬虫類の餌に利用され,流通している.
私もオガサワラトカゲの飼育に大変重宝している.
成虫形態は,雌雄異形で♂は薄茶色の体色をしている.
本種に近似種のBlatta(Shelfordella)gussakovskiiという種もおり,
違いは,前翅基部に黄白色の条紋が無いなどで見分けが付く.らしい.
♀は濃茶色で短翅.
本種は,古くは1981年に初めて国内で生息が確認されて以来,
現在でも国内で害虫として定着している.
幼虫は雌雄同形態.
頭胸背面は明茶色.腹部は黒に近い濃茶色のツートンで見分けやすい.
過去に幼虫の同定依頼を受けた事もあり,
国内での分布拡大の恐れがあると思われる.
2009 .7.29
標本整理
たまっていた標本整理をした.
ゴキブリが8割以上.
中でもチャバネゴキブリ科が一番多い.
ついでワモンゴキブリ.
外国種は繁殖したら作ろうと思いつつ,
国内採集個体の標本作成に時間をとられ出来ない.
その他がクモ・ハエ・貯穀害虫など.
この辺も同定後の整理となる為,
特にハエ類は未同定が増えてたまっていく.
2009 .7.28
ヤエヤマキスジゴキブリ 脱皮
脱皮直後と分かっていても,この白さは驚いてしまう.
まだ真っ白.
少しすると前胸背の
黒班の模様が出てくる.
キスジゴキブリは黒班が崩れず,まるまった形であるが,
本種は見ての通り突起状に黒班部が飛び出る.
2009 .7.27
クロゴキブリの落ち着きどころ
いつもの屋外飼育室.
最近コップトラップや,コオロギ生け捕りトラップにクロゴキブリが殆ど入らない.
冬場の卵鞘撤去や,コップトラップの地道な駆除が功を奏したかと油断していたら,
あまり使わない扉の下に成虫が集合していた.
等間隔に整列している.
車間距離ならぬ,ゴキブリ間距離は触角の先端が他個体に触れる距離に近い.
飼育環境下ではこんな事はあり得ない.
拡大.
左から♀,♂,♀,♀でしょうか.
今年の新成虫たちであろう.
写真をとっていたら,この後,皆思い思いの方向へ逃げていきました.
この中の1♀がこの夏に生むと考えられる卵鞘数は少なく見て20個.
その1卵鞘より平均25匹の幼虫が孵化すると,
なんと1♀より500匹の幼虫が生まれる計算になります.
やはりゴキブリの駆除は本腰を入れないといつまでたっても終わりがなさそうです.
2009 .7.24
オオゴキブリ
オオゴキブリ科 Family Panesthiidae
オオゴキブリ属 Genus Panesthia Serville
オオゴキブリ Panesthia angustipennis spadica(Shiraki)
ゴキブリの中で最も昆虫扱いを受けている種ではないだろうか.
食性も通常のゴキブリは雑食だが,オオゴキブリ科は朽木を食べるので,
クワガタなどの甲虫類と同一的なイメージを持ってくれている様である.
雌雄ペア.
管理といえば,たまに飼育ケースのマットに水を与える程度.
ここ半年ほど姿を見たことがなかった.
しかし,この前リュウキュウクチキゴキブリが餌切れで外に出ていたことを考慮し,
本種も床換えをした.
案の定,中の朽木はボロボロに粉砕されており,
その中から幼虫19匹が出てきた.
まだ生まれて間もないのだろう.
通常,ゴキブリ飼育は中プラケを使用しているが,
他のゴキブリであれば中プラケで何百匹も,まとめ飼育しても問題ないが,
オオゴキブリ科のゴキ達は,成虫になると,
2,3ペアが限界のような感じである.
2009 .7.23
ヤエヤマキスジゴキブリ 幼虫
幼虫は茶褐色で見た目はモリゴキブリ属みな似ている.
終齢幼虫.
幼虫での同定は大変そうである.
1齢幼虫.
非常に小さな幼虫で,体色もしばらくは白い状態のまま.
右に見えるのは卵鞘.
2009 .7.22
ヤエヤマキスジゴキブリ
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae
チャバネゴキブリ亜科 Subfamily Blattellinae
モリゴキブリ属 Genus Symploce Hebard
ヤエヤマキスジゴキブリ Symploce yayeyamana Asahina
体長15mm前後.
キチャバネゴキブリより一回り小形で,前胸背に黒斑が入る.
黒班の形がキスジゴキブリと違い複雑な形状である.
成虫.
雌雄は腹部の広がりから見ると♀のようだが,確認忘れました.
卵鞘をつけた♀.
体の割には太い卵鞘を産む.
分布は石垣島,西表島.
2009 .7.21
Archiblatta hoevenii
ついに標本になる日が来ました.
手元に着てから約4ヶ月.
この大きさのゴキブリであれば,他属の例から推測するに,
半年以上は楽に生きそうである.
頭部拡大.
改めて手にとり,細部を観察すると,昆虫の素晴らしさが実感できます.
多くのゴキブリの場合,この頭部は前胸の下面に隠れ,
上から見え難くなっています.
それが,本種がゴキブリらしくない(私だけ?)理由です.
後方より.
世界のジャングルには同属でもっと巨大な種や,色彩が派手な種が生息しているかもしれません.
いつか,アマゾンのジャングルの中でゴキブリ採集をしてみたいです.
2009 .7.17
キチャバネゴキブリ
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae
チャバネゴキブリ亜科 Subfamily Blattellinae
モリゴキブリ属 Genus Symploce Hebard
キチャバネゴキブリ Symploce japonica (Shelford)
体長17mm前後.
体色は薄明茶色の単色.
チャバネゴキブリ科の中では大柄な種.
♂成虫.
♀成虫.
分布は南西諸島,沖縄,九州南部で記録されている.
八丈島産の本種の生態研究では,クロゴキブリのように越冬による加齢調整が行なわれるらしく,
生活史は2年越しに及ぶらしい.
2009 .7.15
アマミモリゴキブリ
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae
チャバネゴキブリ亜科 Subfamily Blattellinae
ホソモリゴキブリ属 Genus Episymploce Bey-Bienko
アマミモリゴキブリ Episymploce amamiensis Asahina
リュウキュウモリゴキブリより1回りほど大型で細身の種.
♂成虫.
♀成虫.
雌雄の形態は大差なく,腹端等細部を見る必要がある.
終齢幼虫.
分布は奄美大島や徳之島などの鹿児島県所属の離島.
沖縄本島以南は私の友人や,旅行者も良く行くので,
ゴキブリを入手する機会もあるが,
鹿児島から沖縄本島の間の島々は,ゴキブリを扱える知り合いが少なく,
この島々にしか生息しないゴキブリは入手し難い.
今回,ある方のご手配のおかげで入手する事が出来た.
感謝,感謝.
2009 .7.14
クマネズミいろいろ
前回の幼獣であるが,余りにも逃げないので悪戯して見た.
指を近づけると興味を持ったのか追って来る.
そんな事をしていたら肩に載って来る仔まで現れた.
全く人間に近寄らない警戒心の強い個体もいるが,
このように警戒心の無い(好奇心の強い?)個体もいる.
ふと足元を見ると,この状態.
ここは飼育施設内だから良いが,
駆除が行われている建築物内であれば,真っ先に捕獲されるネズミたちであろう.
こうして,都会の野生クマネズミは臆病な警戒心の強い個体だけが残り,
我々,PCOを苦しめる個体群が繁栄するのだと考える.
2009 .7.13
クマネズミのグルーミング
体重100g未満(目測)の♂幼獣.
全然逃げないのでしばらく観察していた.
さかんにグルーミング(毛づくろい)をしている.
今では余り使わなくなったが,粉状の殺鼠剤がある.
これは,ネズミの良く通る経路に散粉し使用する.
ネズミは狭い穴や細い通路などを,鬚や体を接しさせながら移動する.
その際に体(鬚・足の裏や体毛等)に,この殺鼠剤を付着させる訳である.
そして,このようなグルーミングにより殺鼠剤を体内に取り込ませて効果を発揮する.
2009 .7.10
ドミノローチ Therea olegrandjeani
同属にTherea petiveriana がいる.
最近ペットローチとして一般的になってきた.
体長は♂で25mm内外.
♀で成熟すると30mmを超える.
上が♂,下が♀.
触覚がもう少し太短ければ,ゴキブリには見えない.
しかし,これはゴキブリだから良いのであって,
甲虫だったらあえて興味もわかない.
♂腹面.
腹端まで腹節が細かく詰まる.
目視できる腹節は8節.
♀腹面.
♂より明らかに少なく,6節しか確認できない.
見かけ上の6節目は実際の7,8節が融合して1節に見せている.
2009 .7.9
アイスポットローチ羽化
成虫の形態が非常に変わった特徴をしている本種.
一昨年飼育が上手くいかず,未交尾の♀成虫1匹になった際,
♂成虫を快く貸して頂けた方のおかげで,繁殖.
その時の子供が成虫になり始めた.
脱皮直後は真っ白で前胸背の特徴は目立たない.
本種は長期間飼育してみると,オオゴキブリ科のように,
地中に潜りっぱなし.
夜間たまに地表に出てきているのを見るだけで,
意外と飼育が楽しめる種ではない気がする.
触ろうと思うと掘り出さないといけない.
♂の成虫.
脱皮は地中で行われ,本当はこんなふうに出してはまずいと思うのだが,
やってしまったのでそっと戻しておいた.
飼育開始当初は中々上手くいかず,幼虫を多数死なせた.
今回の子供たちは別種と思えるほど普通に成長している.