2007 .7.11
脱走防止処置
多くのゴキブリ類は6本の肢の跗節の先の爪の間に爪間板(Arolium)と呼ばれる部位が発達しており,これを使用して垂直なガラス面等を自在に移動する事が出来る.
この様な生き物を脱走させずに飼育するには,その壁面登攀能力を阻止しない事には,世話をする度に脱走される事になり,おそらく大問題になると考えられる.
そこで飼育容器壁面上部に幅5~10㎝に以下のものを塗りつけると滑って登れなくなり,蓋を開けても壁を伝って逃亡する個体はいなくなる.
トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea Burmeister)の爪間板
バター(マーガリン)
炭酸カルシウム(私が現在行っている方法で水に溶かし,筆で塗りつける)
ワセリン:流動パラフィン(1:1)(学会出版センター昆虫実験法より)
ワセリンのみ
炭酸カルシウムの良いところは,油系のものより洗うのが楽な事.
しかし,この方法でもミナミヒラタゴキブリ初齢幼虫は登る事が出来る.
Ca2CO3は知りませんでした。勉強になりました。
この方法の欠点として,暴れる種はケージ全体を白っぽくしてしまう事と,新品のケージは弾いてしまいなかなかプラケ表面に馴染んでくれません.エタノール等を混ぜると少しやり易くなるかもしれません.それと中が見にくくなるので,鑑賞用には向きませんね.