ゴキブログ一覧
2008 .9.30
オキナワチャバネゴキブリ 肛下板
もう一つの外見的な判り易い?相違点.
♂腹面腹端部の肛下板の形状,
これはオキナワチャバネゴキブリ.
こちらがヒメチャバネゴキブリ.
両種の違いは他にも体長,複眼間の黒条紋の太さの違いや,
複眼間の距離,触角の長さなどあるが,
検体数が少ないと,ちょっと手が出せない箇所である.
と思って肛下板を比較したが,これも数見ないと???のところが多い.
殖えたらもう一度比較したいと思う.
2008 .9.29
オキナワチャバネゴキブリ 前胸背
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae
チャバネゴキブリ亜科 Subfamily Blattellinae
チャバネゴキブリ属 Genus Blattella Caudell
オキナワチャバネゴキブリ Blattella asahinai mizukubo
最近,やっと少しずつ私のゴキブリ趣味が浸透してきたのか,
あちこちに旅行に行った人から,ゴキブリのお土産をもらう事が多くなってきた.
今回も,沖縄に旅行に行った虫キチ社員よりお土産で頂いた.
ありがたい事である.
お礼に何でも好きなゴキブリあげるよとと言うのであるが,
ほしいという人はそんなに多くない.
ついでに野外のゴキ写真を撮ってきてくれたので,そちらも今後紹介したい.
本種は何とペアで捕獲してきてもらった.
ヒメチャバネゴキブリに非常に良く似ている.
「日本産ゴキブリ類」により同定すると,確かにそのようである.
まず,前胸背.こちらはヒメチャバネゴキブリ.
「黒条紋の後端はやや尖って内方を向いて終わり,両側縁の輪郭はよりスムースで,かつ黒紋の前端もやや内側を向いて少し尖って終る.」
両側縁の輪郭が,よりスムースかどうかはこの個体だけではよく判らない.
こちらがオキナワチャバネゴキブリ.
「前胸背の1対の太い黒条はそれぞれ後方部で太くなっており,両側の縁の輪郭は凸凹の多い不規則な線をなす.また黒条の前端は細まって終る.」
という事である.
2008 .9.26
茨城のモリチャバネゴキブリ
ここの所,郊外に昆虫調査に出かける機会が多くなってきた.
前回の千葉県に続き,今度は茨城県に出かけた.
時間は夜に及んだ為,空いてる時間にちょいとゴキブリ探しをした.
探した場所は林縁部の林床.
モリチャバネゴキブリが非常に高密度で生息していた.
落ち葉をかき分けると,クモの仔を散らすようにいなくなるのだが,
ここは散ってもこれだけ残っている.
この時期は初齢幼虫から写真のサイズの中齢幼虫が多く,
成虫は卵鞘を付けた♀がたまにいるだけで,♂成虫を見ることはなかった.
2008 .9.25
残暑の中のお茶目なクマネズミ
クマネズミの飼育室は,ビル内の環境に近づけている為,
室温は一年を通して25℃~28℃を維持するようにしている.
しかし,様々な作業をすると夏場は臭い・痒い等,結構きつい状況になる.
そんな中クマネズミの意外な一面を見る事が出来るのは楽しい事である.
両手で針金を持ち,片足を上げたままのこの姿勢でこちらを伺っていた.
恐らく本人は,たまたまこの様なポーズのまま静止していただけだろうが.
しかし,何とも可愛らしいと思う.
はたして,ビル内でもこの様な仕草を見せているのであろうか?
2008 .9.22
オオゴキブリ科Panesthiidae(ヤエヤマオオゴキブリ)のマット交換
ヤエヤマオオゴキブリはタイワンクチキゴキブリよりもひどい事になっていた.
マットを掘っていくと次から次と死骸が出てくる.
ざっと集めてこんな状態.
中にはまだ生きているのでは?というような死骸もあった.
左がタイワンクチキゴキブリ,右がヤエヤマオオゴキブリ.
ヤエヤマオオゴキブリ幼虫の大きな特徴は中胸背に赤い斑が入るところ.
海外のオオゴキブリの中には,この赤色斑が4つあったり,大きいい斑が1つであったり,様々な色彩があるようだ.
しかし,成虫になると皆漆黒色になって見た目の変化はあまり無いようだ.
こうしてみると,非常に興味深い昆虫ではあるが,ただ飼育するだけであれば,
あまり張り合いのない種である.
2008 .9.19
オオゴキブリ科Panesthiidae(タイワンクチキゴキブリ)のマット交換②
マットを掘っていくと同時に出てきたのは,幼虫の死骸.
一匹は外傷はほとんど見当たらないような個体.
もう一つは上半身にダメージがある.
成虫が死ぬのは寿命なども考えられるが,幼虫は死んではいけない.
この現象は明らかに異常事態がケージの中で起きていた証拠である.
オオゴキブリ科の飼育をしていると,たまにこのような事態に遭遇する.
餌の不足と,親の縄張り形成の時の闘争などが原因ではないかと思う.
イエゴキブリもおかしな死亡が確認されたが,
ゴキブリといえども飼育は簡単ではない.
無事に取り出された幼虫たち.
もう少し気づかずに放置しておいたら,どうなっていた事か.
しかし,エサキクチキゴキブリは残念ながら1匹しか残っていなかった.
残念である.
新しいケージに放したところ.
すぐに潜って見えなくなった.
2008 .9.18
オオゴキブリ科Panesthiidae(タイワンクチキゴキブリ)のマット交換①
飼育環境内の密度が高くなると,頻繁にマット上に姿を現すようである.
しかし,繁殖状況(個体数)などは,マットをひっくり返さないと確認できない.
これはタイワンクチキゴキブリのケージ.
いつもこんな状態である.
そんなわけで,約半年ぶりで床替えを実施した.
今回替えたのは
エサキクチキゴキブリ Salganea esakii Roth
タイワンクチキゴキブリ Salganea taiwanensis taiwanensis Roth
ヤエヤマオオゴキブリ Panesthia angustipennis yayeyamensis
の3種
オオゴキブリ Panesthia angustipennis spadica(Shiraki)は全く繁殖の気配が無いので今回はパス.
マットを掘ると餌として入れておいた,クワガタ用産卵木が皮だけになっていた.
2008 .9.17
オオゴキブリ科Panesthiidaeのマット交換
朽木内に穿入して生活をするオオゴキブリ科のゴキブリは,生活の大半を材中に潜ってすごしている.
その生活や形態は,害虫として嫌われるゴキブリとは少し違い,
屋外の森や林の林床で人目に触れくことなくひっそりと生活している.
日本国内にはオオゴキブリ属が2種,
クチキゴキブリ属が3種生息している.
これはオオゴキブリ♂成虫.
クロいが全体艶が無く,翅も硬い皮状で,
まだこれは翅があるが,羽化後いつしか翅はボロボロになり短くなってしまう.
これは翅がだいぶ無くなって来たヤエヤマオオゴキブリ.
理由は雌雄で齧りあうとか様々言われているが良く判っておらず,
今後の研究が待たれる.
こちらはタイワンクチキゴキブリ成虫.
翅が最初から短い.
2008 .9.16
アルゼンチンフォレストローチ産仔
それから約60日後,35匹の子供が生まれた.
奇数という事は最低1匹は孵化できなかったのであろう.
ほぼ計算通りの数である.
大方の仔は母親の下にもぐりこんでいる.
マダガスカルゴキブリのときは,親の糞を食べていたが,
本種はその儀式は終ったのだろうか?
確認できていない.
持ち上げると1匹だけしがみ付いていた.
ゴキブリとはいえ,このような行動を見ると,可愛く感じる.
35匹の子供.
数えると34匹しかいないが,ちゃんと35匹いる.
体長は9㎜内外.
コロセウスと同じであった.
2008 .9.12
アルゼンチンフォレストローチ卵鞘排出
学名:Blaptica dubia
別名:デュピア
日本では餌用ゴキブリとして安価に流通している大型種.
今年6月20日に卵鞘を排出していたので隔離飼育した.
出している時か,戻している時かは,
写真のように卵鞘が縦になっている時は,出している時,
横になっていたら戻しているときのはずである.
この状態で卵鞘内の卵数を数えると16列まで確認できる.
面白い事に卵鞘接合部から中の卵鞘の数が確認できる.
綺麗に並んでいる.
すると,全て孵化すれば,仔の数は32匹+4匹ほどであろうか.
2008 .9.11
クロゴキブリ洗濯
我々PCO(ペストコントロール技術者)の仕事は,
日夜,都市に生息・繁殖する衛生動物のコントロールにあるわけだが,
仕事も汚れる内容のものが多い.
当然ネズミの生息域に侵入して作業をすれば,イエダニと戯れる事も良くある.
そんなわけで,作業服をすぐに洗えるよう,営業所には必ず洗濯場がある.
私もネズミ飼育室で仕事をした作業服は,イエダニが付く為洗濯している.
先日,いつもの様に洗濯が終り,干そうと洗濯物を取り出していると,
槽の中に,クロゴキブリ成虫が横たわっているのを発見.
哀れクロゴキブリは洗剤でスッカリ油分を落とされ,
いつものなまめかしい艶は無くなり,
風呂上りのさっぱりした清潔感のある外観となっていた.
腹端部の形状より♂であることがわかる.
臭いも嗅いでみたが,少しクロゴキ臭はするが,殆んど気にならない.
これなら「ゴキブリだもん」のクロゴキかき揚げにしても,
おいしく食べられそうであった.
2008 .9.10
長野のアマガエル
今年のお盆は,仕事の為帰省出来なかったので,日をずらして行ってきた.
夕食後,ふらふらと足湯を見学に.
理由はこれ.
2年前よりアマガエルの生息を確認していたが,今年もいました.
はたして同じ個体なのか?
生息数はいつも1匹だけなので,同じと信じたいが・・・.
寿命をインターネットで調べると,8年以上などがあるので,
同じ可能性は確かにある.
こちらは,道の駅の田んぼの近くに居た個体.
居るところには沢山居るが,この足湯は街中にあるので,
生息数が多い場所ではない.
2008 .9.9
マデイラゴキブリ 1齢幼虫
成虫や中・終齢幼虫はマットの上に出ているが,
初齢幼虫はマットに潜ってる事が多いようだ.
水容器をどけるとその下にいた.
拡大.
もう1匹腹端部が見える.
何とも地味な幼虫である.
ハイイロゴキブリの幼虫に似ている.
2008 .9.8
マデイラゴキブリ 幼虫
終齢幼虫は明茶色をしており,成虫と並べると存在感は幼虫にある.
2008 .9.5
マデイラゴキブリ Rhypharobia maderae成虫
本種はアメリカなどでは実験動物として普通に飼育されているらしいが,
日本国内ではあまり流通していない.
私もある方より入手しました.
大きさ的にはワモンゴキブリの大型個体ほどの大きさ.
体色が薄い色を基調としている為,見た目のインパクトはあまり無い.
成虫の体色は2色あるようで,黒系と茶系がある.
雌雄で違うのかと思ったが,そうでもないらしい.
もう一つ特徴として,臭いがある.
柑橘系といえば良い臭いだが,柑橘系のやな臭いとでも表現すれば良いのか,
ちょっとキツイ臭いである.
本種のデータはブログでも紹介した,「ゴキブリ実験ガイド」に少し記載がある.
体長 ♂40-44㎜ ♀42-50㎜
卵胎生で若虫の生長期間は127~150日.
亜熱帯・熱帯に分布し,屋内や農作物倉庫に生息するとなっている.
是非,野外採集してみたい.
2008 .9.4
千葉のモリチャバネゴキブリ
ハエ調査の合間に,ゴキブリを探した.
モリチャバネゴキブリだけは簡単に見つかる.
生息していた環境.
この時期,1齢を中心とした初齢幼虫ばかりで,
成虫・中齢以降の幼虫は見つからなかった.
落ち葉をどけるとすぐにいなくなる.
どこに隠れるのか良く見ていると,土の隙間にもぐりこんでいるのが判った.
2008 .9.3
ブラベルスコロセウス産仔
いつも卵胎生ゴキブリの子供が生まれるのを産仔と書いているが,
ブラベルス属やマダゴキなどを見ていると,
やはり産卵で卵鞘を体外に出すと同時に,
各卵から1齢幼虫が脱出してくるのである.
小形の種はどうか判らないが,マダゴキ類やブラベルス類の,
大型で観察しやすい種はそんな感じである.
というわけで,生まれた幼虫の数は34匹.
多いか少ないかは,もっとデータをためないと何ともいえない.
1齢幼虫の生まれたてのサイズ.
9㎜内外.
2008 .9.2
タマヤスデ交尾??
先週,千葉県 房総方面にハエ類の調査に行ってきた.
生息環境の調査をしている最中タマヤスデを発見.
屋外に放置された家具の下に,ダンゴ虫多数に混ざり3匹見つけた.
前から捕まえたいと思っていたが,意外なところに生息していて少し驚いた.
よく見ると模様の違う2匹がくっついている.
通常の細長い形態のヤスデは頭部に近い第7節辺りに生殖肢があり,
抱き合うように交尾を行うが,本種はどうなのであろう.
ちなみにこれはキシャヤスデの生殖肢.
2008 .9.1
ブラベルスコロセウスの卵鞘
今年の5/29に卵鞘を排出させた個体がいたので,別容器で飼育していた.
卵鞘の外皮は非常に薄く,内部が透けて見える.
このまま出して,今度は横にして保育嚢に収納.
その状態で孵化するまでの期間,卵を保護する.
卵胎生で,繁殖が上手くいかない種は,
このときに全て卵鞘が脱落してしまうようだ.
原因は良く判らないが,飼育環境に大分影響されるのであろう.
試行錯誤の毎日である.
67日後の8月4日に子供を産んでいた.