ゴキブログ一覧
2008 .4.30
小笠原の生き物 ゴキブリビントラップ
去年来た時に,ビントラップを使用し,ミナミヒラタゴキブリ,オガサワラゴキブリ,コワモンゴキブリを捕獲した実績があるため,今回も同様の仕様でセットした.
雨も予想して,倒木の下や椰子の枯れ葉を被せて,雨除けとした.
しかし今回の訪島中あまり天気が良くなく,夜になると毎夜土砂降りとなり,
翌日早朝見に行くと,全て水が浸入している有様だった.
しかし,中には餌が無くなっているビンもあり,
どうもクマネズミに餌を盗られる際,雨除けをどけられている感じだ.
結局今回のビンとラップの成果は,2日×6個仕掛けて,ゼロであった.
クマネズミが好きそうな餌も入れているため,屋外用としては改良が必要である.
2008 .4.28
小笠原の生き物 コワモンゴキブリ
コワモンゴキブリは建築物内に多いようなイメージがあるが,
小笠原では,屋外でしか見たことがない.
と言っても建築物内ではなかなかゴキブリ採集がやり難い面もあるが,
飲食店や宿の人に聞いてみても,優先種はチャバネゴキブリのようだ.
ワモンは私も室内で何度か捕獲や目撃はしているが,コワモンはない.
今回も腐葉土の中を探していたらコワモンゴキブリ幼虫が出てきた.
成虫は夜山間の路上を徘徊しているが,若齢幼虫はこのような所に潜んでいると思われる.
沖縄でもコワモンは森林でよく目撃されるような事を聞いたことがある.
家屋内にも住めるが,好みの場所は森の中なのかもしれない.
2008 .4.25
小笠原の生き物 ナゾの卵鞘とカンショオサゾウムシ
枯れたヤシ科の葉と思われる,
葉の折れ目にミナミヒラタかオガサワラウスヒラタの卵鞘が付いていた.
この他にカンショオサゾウムシも別の葉に付いていた.
なお,同定はS研の昆虫学者K氏にして頂いた.
ありがとうございました.
2008 .4.24
小笠原の生物 オガサワラゴキブリ
オガサワラゴキブリの生息状況に興味があるので採集した.
街中での採集は,ちょっと目立ちすぎるのと,
私有地での採集になりかねないので,洲崎で採集した.
この場所は,クマネズミの捕獲や,グリーンアノールなどが沢山いる地区で,
なによりも人の出入りが少ない事から,落ち着いて採集出来る場所である.
今回,たまたま植物の伐採残材が廃棄されている場所があり,
いい感じに腐食していたので,その中を探ってみた.
この腐食残材の山は害虫の楽園とかしていた.
まずはオガサワラゴキブリ.
街中の私の知っているポイントほど,集中して生息はしていないが,
沢山捕れた.
2008 .4.23
小笠原の生物 オガサワラウスヒラタゴキブリ終齢幼虫
本種を採集した場所は,ミナミヒラタゴキブリも採集する事が出来た.
この2種は外見がよく似ているため,初齢幼虫では識別は難しいと思う.
今後,ウスヒラタゴキブリ,ミナミヒラタゴキブリ各幼虫と比較してみようと思う.
こちらはオガサワラウスヒラタゴキブリおそらく終齢幼虫.
ミナミヒラタとは明らかに翅芽(?)の大きさが違うようだ.
2008 .4.22
小笠原の生き物 オガサワラウスヒラタゴキブリ
チャバネゴキブリ科 Blattellidae
ウスヒラタゴキブリ属 Onychostylus Bolivar
オガサワラウスヒラタゴキブリ Onychostylus pallidiolus boninensis Asahina
過去に数回行ったが,本種を見つける事が出来なかった.
本種は学名からも判る様に“boninensis” 小笠原固有種である.
特徴は成虫・幼虫とも♂♀腹部腹面の側方に黒褐斑を発達させてくる.
らしい.
前回の経験を踏まえ,ビロウの枯れ葉を捜した.
中齢幼虫.
腹面が明らかに黒いのが判る.
2008 .4.21
小笠原に生息するゴキブリ
先週,仕事で小笠原に行ってきた.
小笠原諸島は東京都でありながら,遙か1000㎞南に離れた海洋島です.
交通手段は現在船のみ.
雲がかかる父島.
片道なんと25時間30分も要する地球上でも最も遠い場所の一つと私は思います.
海洋島とは,島が誕生してから過去に一度も大陸とつながったことのない島を指す.それゆえ,島には長い歴史の中で,たまたまたどり着いた,
極わずかな生き物が独自の進化を遂げ,
世界規模で見ても小笠原だけにしか生息していない種が多数生息している.
そんな島に生息しているゴキブリは,
害虫種…ワモンゴキブリ・コワモンゴキブリ・トビイロゴキブリ・クロゴキブリ・チャバネゴキブリ.
半屋外種…チャオビゴキブリ・オガサワラゴキブリ.
屋外種…ミナミヒラタゴキブリ・ヒメチャバネゴキブリ・オガサワラウスヒラタゴキブリ.
以上10種が現在報告されている.
船で25時間も揺られていると,どこで何のゴキブリを捕るか夢が膨らみます.
父島二見港に停泊するおがさわら丸.
2008 .4.18
不快生物標本
海外に生息する,不快生物.
私は全然不快ではないが,一般的に長くて細いものやクモ類は嫌われてしまう.
世の中にはこの様に巨大なヤスデが沢山いる.
日本でも八重山にはヤエヤママルヤスデという体長10㎝を越えるヤスデがいる.
普通に見るヤスデとは桁違いに大きいが,
森林の分解者として重要な役割を果たしていると考えられる.
中央左楕円形のものは,タマヤスデの一種で,噂によると,
映画「風の谷のナウシカ」で暴走していた「オウム」のモデルと言われている.
マダガスカルに生息していると言われ,
昨日マダガスカルの研究者に聞いたところ,
やはり沢山生息していたらしい.
2008 .4.17
ゴキブリ標本 3
まだ展翅(足)前の標本.
東南アジアの種である.
小型で綺麗な種や,大型で木の皮そっくりな色彩の物など,
さすが熱帯だけあって多種多様である.
ジャングルにこの様な種がいると思うと,
是非一度は自分の手で採集に行ってみたい.
これなど小型であるが,非常に美しい.
2008 .4.16
ゴキブリ標本 2
こちらは外国種が中心
大型の種が多いのでさっぱりとしている.
ブラベルス属,マダゴキ類等.
ゴキブリもキレイに展翅,展足すると,立派な標本となる.
蝶類や甲虫類の標本は沢山あると思うが,ゴキブリもまたレアで良いと思う.
2008 .4.15
ゴキブリ標本 1
飼育している目的の一つは標本作製にある.
各ステージの幼虫を記録し,同定の資料や,
各種研修に使用したりする.
国内種が入っている箱
あまり整理されていないが,
ワモン・ヤマト・ウルシ・ヤエヤママダラ・オガサワラ他が入っている.
2008 .4.14
ヒメカツオブシムシ 成虫
体長4㎜.体色は黒色.
世界中に分布する害虫種.日本国内の発生は年1回.
5~6月に成虫が発生する.
私の家は,商売柄なのか害虫は殆どでないが,
本種成虫は毎年決まって一匹か多くて二匹室内に出没する.
毎回,飼育するのだが繁殖したためしがない.
2008 .4.11
ヒメカツオブシムシ幼虫
都内営業所より珍しい幼虫が送られてきた.
ヒメカツオブシムシ幼虫である.
カツオブシムシ科の甲虫で,害虫として扱われているが,
都市部ではあまり見かけなくなってきている気がする.
幼虫の特徴として,体色は赤褐色で芋虫状.
腹部末端に目立つ数十本の長毛の束がある.
幼虫は動物質を好み,削り節や剥製標本,毛皮,絨毯や生糸等を加害する.
せっかくなので,ハツカネズミの死骸を入れたら,早速食べ始めた.
2008 .4.10
アミメヒラタゴキブリ卵鞘
卵鞘は長さ5㎜内外.
ウスヒラタゴキブリ属らしい卵鞘である.
表面は意外とツルンとしており,チャバネゴキブリのような節はハッキリとは見られない.
上から見たところ.
白く見えるのは孵化時に脱ぎ捨てた胚(若虫)をくるんでいる膜である.
これを数える事で,この卵鞘より何匹孵化したか大体わかる.
2008 .4.9
アミメヒラタゴキブリ 幼虫脱皮
初齢幼虫が脱皮した.
良く聞く話で,白いゴキブリを見た!と自慢される人がたまにいるが,
確かに透き通るような白さである.が,
アルビノ個体は哺乳動物では目が赤くなる.
ゴキブリで目の色が変わる変異として,
ワモンゴキブリの“white eye”は書籍にも載っているからいると思うが,
アルビノゴキブリは聞いた事がない.
この写真で判るように,脱皮の場合は目だけ黒い.
2008 .4.8
アミメヒラタゴキブリ 初齢幼虫
2㎜程度の幼虫.
すでに特徴のある色彩をしている.
本種はご存じの通り屋外にしか生息しておらず,
これと落ち葉の中で遭遇してもゴキブリとは気づかないであろう.
しかし,拡大するとゴキブリの形をしている.
2008 .4.7
アミメヒラタゴキブリ幼虫
中齢以降の幼虫.
外見はチャオビゴキブリ幼虫に似ていると思うのだが.
動きは幼虫も極めて俊敏で,屋外での幼虫採集は指では潰す危険が伴うと思う.
2008 .4.4
アミメヒラタゴキブリ
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae
ウスヒラタゴキブリ属 Genus Onychostylus Bolivar
アミメヒラタゴキブリ Onychostyus notulatus (Stal)
体長11㎜内外.小型屋外性のゴキブリの中ではその美しさは際立っている.
国内の分布は与論島以南の離島に生息する.
その名の通り,前翅は網目状の翅脈が浮かび上がり,
前胸背はきめ細かい模様が認められる.
2008 .4.3
ヤエヤママダラゴキブリ水浴
本種を飼育するに当たって,特殊な条件として水浴場を設ける事としている.
実際,採集をした人の話では,水中で魚を捕っていると網に入っていると聞く.
飼育してみると,写真のように水に入り,腹端部だけを出し,
結構な時間入っている.
一見ボウフラの呼吸のように思ったが,
ゴキブリの気門がそんなところにあるはずもなく・・・・.
この水場を掃除すると,必ずかなりの量の糞が溜まっている事から,
水中で特殊な排泄をしているのではないかと思っている.
2008 .4.2
ヤエヤママダラゴキブリ羽化不全
ヤエヤママダラゴキブリRhabdoblatta yayeyamana Asahinaその後である.
F1は終齢近くまでは順調に成長するのだが,
最後の脱皮でつまずく個体が多く見受けられる.
♂は100%近く成虫まで羽化するが,♀はきっちりデータは取ってないが,
無事に成虫となるのは50%に近いのではないだろうか.
今回も失敗1件成功1件となってしまった.
こちらが失敗し,すでに外骨格が固まってしまった♀.
まだ生きていたが,残念ながらこれではどうにもならない.
下が成功した抜け殻.
♀である.
原因を考えるに失敗した個体は比較的乾燥した場所で脱皮をはじめており,
成功した個体は,写真でも判る通り,水苔のある湿気のある場所で脱皮している.
しかし,各個体が脱皮する場所は選べるようになっており,
当然本能的に適した環境に移動して,脱皮を成功させると思うのだが.
2008 .4.1
こも巻き調査
姫路工業大学でおこなっている研究に,マツのこも巻きに関するものがある.
昨日開催された日本生態学会の中で,興味を引かれた研究である.
それは,「姫路城のマツのこも巻き調査」(姫路工業大学・環境人間).
この中で,こも巻きに潜んでいる昆虫で,ゴキブリが3位に入っており,
このゴキブリが何か気になるが,とりあえずこも巻きを手配したところ,
関東の某県で使用されたものが手に入った.
これを調べると,なんとゴキブリがやはりいた.
種は・・・モリチャとも違うような・・・
成虫にして判定しようと思うが,
こも巻きはゴキブリ採集に意外と使える方法かもしれない.