ゴキブリ防除

ゴキブリの種類

日本には現在3上科5科12亜科29属57種7亜種が記録されています。
その中で、衛生害虫として扱われているものは10種程度存在します。

ゴキブリの種類

施設ごとの発生しやすいゴキブリの種類

ホテル

  • 厨房、パントリーにはチャバネゴキブリが発生します。
    近年はイエゴキブリなど、その地に生息していないゴキブリが旅行客の荷物にまぎれて侵入し発見されています。
  • 客室にはチャオビゴキブリが発生しやすいです。また、近年はイエゴキブリやその他の外国種旅行客の荷物にまぎれて侵入し発見されています。
  • ゴミ置き場にはクロゴキブリが発生します。
  • マンホール内は、まれにクロゴキブリが発生します。建築年数が古いビルですとワモンゴキブリやトビイロゴキブリが発生している場合があります。

オフィスビル

  • 事務所には、チャバネゴキブリが発生しますが、近年は清掃や環境がよくなり減っています。
  • 喫茶、飲食店にはチャバネゴキブリが発生します。
  • 給湯室、トイレにも、チャバネゴキブリが発生しますが、同様に減ってきています。
  • ゴミ置き場にはクロゴキブリが発生します。
  • マンホール内は、まれにクロゴキブリが発生します。建築年数が古いビルですとワモンゴキブリやトビイロゴキブリが発生している場合があります。

病院

  • 病室にはチャバネゴキブリが発生します。長期入院患者の部屋はいったん侵入すると発生しやすくなります。
  • 厨房、配膳室にもチャバネゴキブリが発生します。建物用途上一年中暖かな環境が維持されるため、発生しやすい環境です。
  • 給湯室、トイレも温度、餌や水の供給などが通常のビルよりよい為繁殖しやすい環境です。
  • ゴミ置き場には栄養課などの配置により、チャバネゴキブリやクロゴキブリが発生している事例がオフィスビルに比べ多くなります。
  • マンホール内は、まれにクロゴキブリが発生します。建築年数が古いビルですとワモンゴキブリやトビイロゴキブリが発生している場合があります。
チャバネゴキブリ
チャオビゴキブリ
クロゴキブリ
ワモンゴキブリ

ゴキブリの発生条件

侵入

  • チャバネゴキブリ:成虫は飛ぶことができないため、輸送物の隙間に潜み物流とともに侵入します。
  • クロゴキブリ:建物には歩行にて近寄り、建物の隙間より侵入します。また、卵鞘を様々な物に産み付けるため、卵鞘が付着した物を持ち込むとそれが孵化します。

潜伏

  • チャバネゴキブリ:25~30℃の温度の場所で、放置してあるダンボールなどのゴミの隙間に集合して潜みます。
  • クロゴキブリ:20℃前後の場所を好み潜伏します。厨房のような高温多湿の場所は好まず、物置やゴミ置き場の物の隙間やクラックの中に潜みます。

繁殖

  • チャバネゴキブリ:温度、餌、潜み場所などの条件がそろうと爆発的に繁殖します。卵から成虫まで2ヶ月で成長し繁殖を繰り返します。
  • クロゴキブリ:比較的成長が遅い種です。卵から成虫まで150~300日を要し、産卵される時期により450日ほどかけて成虫になる場合もあります。

輸送ケースでの繁殖(大量のフン)

輸送ケースでの繁殖(大量のフン)

段ボールでの繁殖

段ボールでの繁殖

棚の裏での繁殖(大量のフン)

棚の裏での繁殖(大量のフン)

事前調査:防除方法の策定のために行います。

  • トラップ調査:生息種、生息指数、生息場所、生息範囲などを調べます。
  • 聞き込み調査:調査場所で働いている人に目撃しやすい場所、時間帯、被害の状況、過去に行った対策(薬剤の種類や頻度)、現在行っている対策、床の清掃状況・頻度、作業時の食材や食器類の方付けの状況などを管理者、従業員などから話を聞きます。
  • 目視調査:ローチスポットなどをもとに営巣場所の特定、防除する際の重要箇所、清掃状況などを調査します。

対策:上記調査結果をもとに方法を検討し、もっとも有効な手法をご提案します。

  • 環境的防除:ゴキブリの潜み場所になるダンボールや不要なケース、餌となる残渣を除去します。食材は露出して放置せず容器に入れて保存してください。また、クロスのはがれやタイルのはがれなどが起きた場合は補修を行います。
  • 物理的防除:トラップによる捕獲がこれに当たりますが、厨房などのゴキブリの発生量の多い場所はこれだけで数を減らすことはできません。他の補助的な対策として行います。他には厨房設備の機能上存在している隙間をコーキング剤などで塞ぎ、ゴキブリが潜めない構造にします。
  • 化学的防除:発生数が多い場合のは大変有効な方法になります。大きく分けてベイト剤(食毒剤)を主体とした方法と、液体の薬剤を散布する方法の2通りがあります。ベイト剤は、作業前の食器・食材の養生が必要なく、厨房管理者も準備が簡易です。液体の薬剤を散布する方法は、作業前に食器類を養生する必要があります。発生状況に応じて方法の選択を行い、効果的な防除を行います。
弊社では、上記方法の優れた箇所を総合し、1回の施工でゴキブリを根絶させる手法を開発しました。施工後は1年間発生を抑えることができます。

効果判定:防除作業終了後に、有効な防除ができたのか確認します。

  • 方法は事前調査と同様の作業となります。

この防除の記録は5年間保存が義務づけられています。

トラップによる捕獲

トラップによる捕獲

ベイト剤処理

ベイト剤処理

液体の薬剤散布